中江裕司監督、水上勉「土を喰う日々 わが精進十二カ月」原案。長野の人里離れた家で1人で暮らす作家のツトム(沢田研二)は、畑の野菜や山菜を使い、禅寺の奉公で学んだ精進料理を作り暮らしていた。担当編集者で恋人の真知子(松たか子)がときどき訪ねるが、13年前に他界した妻の遺骨を墓に入れられないままでいる…。原案となっている水上勉の「土を喰う日々」はかなり好きで、影響を受けた。全体には、「リトル・フォレスト 夏・秋」 、「リトル・フォレスト 冬・春編」 みたいな、田舎生活を美化しすぎな感じも受けるが、まあ全体にはうまくドラマにして面白くなっている。特に義母・チエ(奈良岡朋子)の存在や、西田尚美、尾美としのりはアクセントとしていい。しかし、当時の水上勉より沢田研二の方がずっとジイさんっぽくて、この豪雪の中で生きていける気がしないがなあ。料理はちょっとシンプルすぎな気もする。土井善晴が料理監修。
