電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ドクター・ドリトル」-Dolittle-

ティーブン・ギャガン監督、ヒュー・ロフティング原作。十九世紀英国、動物と話せる医師ジョン・ドリトル(ロバート・ダウニー・Jr.)は、世間と離れ屋敷に動物たちと暮らしていた。ある時、陰謀によるヴィクトリア女王(ジェシー・バックリー)の病の治療のために、ドリトルはオウムのポリネシア(声:エマ・トンプソン)、ゴリラのチーチー(声:ラミ・マレック)たち動物と、助手志願のトミー(ハリー・コレット)と共に伝説の島へ向かうが…。原作は子供の頃大好きだった、’67年版映画も好き。エディ・マーフィー主演の2本、「ドクター・ドリトル」 「ドクター・ドリトル2」には落胆したが、今回のロバート・ダウニー・Jr.主演のはなかなか良い。子供だけじゃなく大人でも面白い。物語は原作2作目の「ドリトル先生航海記」がベースかな。動物たちも登場人物もちょっとずつ違うけど、改変はうまくいっている印象。海賊ラソーリ(アントニオ・バンデラス)の存在もちょっと面白かった。続編は作りそうな気がするが。

https://dr-dolittle.jp/

「エジソンズ・ゲーム」-The Current War-

アルフォンソ・ゴメス=レホン監督。19世紀末の米国、白熱電球の事業化に成功したトーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッチ)は直流送電を進めていたが、事業家ジョージ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)は交流方式の送電事業を拡大していた。エジソンが交流方式のネガティブキャンペーンを展開している頃、技師ニコラ・テスラ(ニコラス・ホルト)がやってくるが…。史実ベース、物語としてはまあ面白い。この辺の歴史はそれなりに知っているから実際との違いはちょっと気になる。特にテスラあたりは。もうちょっとテスラが活躍して欲しかったが、まあ、それは別の話になるか。善悪は曖昧で、カンバーバッチのエジソンの方がずっと悪役な感じなのはちょっと面白い。撮影監督が「オールド・ボーイ」の韓国のチョン・ジョンフンだけど、この人の映像は独特で好き。

https://edisons-game.jp/

「15年後のラブソング」-Juliet, Naked-

ジェシー・ペレッツ監督、ニック・ホーンビィ原作。英国の港町サンドクリフ、小さな博物館で働くアニー(ローズ・バーン)、同居する恋人ダンカン(クリス・オダウド)は、90年代のロックスターで表舞台から突然姿を消したタッカー・クロウ(イーサン・ホーク)の熱狂的ファン。そしてあるきっかけでアニーの元にタッカーからメールが届くが…。30歳代後半が主人公の英国恋愛モノ…いや恋愛モノというほどでもなく、実際は物語として純粋に面白い、登場人物の元人気歌手、その大ファン、歌手の家族などの絡みの構成が斬新でなんとも上手い。みんなカッコよくも美人でもなく普通なのもリアル感ある。子役はかわいい。原作は「アバウト・ア・ボーイ」の人、未読だけど

https://15-lovesong.com/

「Red」

三島有紀子監督、島本理生原作。村主塔子(夏帆)は、夫(間宮祥太朗)、娘の翠、義父、義母と暮らす専業主婦。あるパーティでかつての恋人・鞍田(妻夫木聡)と10年ぶりに再会。塔子は鞍田のいる建築設計会社に勤めることになるが…。島本理生の原作は未読、R15+。原作は島本理生の初めての官能小説ってことになってる。単純な展開だけど、それを丁寧に丁寧に描く重みがある。裕福ではあるが堅苦しい生活の対比など、まあ上手く出ているかな。大人になった夏帆にはあんまり魅力を感じないけど、その魅力のなさが上手く役にハマっている。かつて可愛かったけど、いまは冴えないって感じで。妻夫木聡のやさぐれ方は、いつもと同じ。三島有紀子監督は全部観ているわけではないけど、今までの作風と随分違うと思った。いい方に。ラストは原作と違うという話だけど、そこは気になる。

「デッド・ドント・ダイ」-The Dead Don't Die-

ジム・ジャームッシュ監督。田舎町センターヴィルの警察、ロバートソン署長(ビル・マーレイ)、ピーターソン巡査(アダム・ドライバー)、モリソン巡査(クロエ・セビニー)は平和な街での仕事ばかりだったが、ある時にダイナーで変死事件が発生。やがてゾンビの大量発生で街はパニックになるが、三人は葬儀屋のゼルダ(ティルダ・スウィントン)に助けられる…。ジム・ジャームッシュゾンビ映画を撮るという事が何しろ大事件。結果的には、彼が撮るとこーなるのかあというのが率直な感想かなあ。オフビート感ありながら、映画的には成立している。でもかなーり、力を抜いて撮っている感じが伝わってくる。出演者も全員、プロの演技をしながらも力が抜けていて、インディーズや学生のノリを感じる。脇役も色々登場、イギー・ポップ死んでなかったっけ、と思ったが生きているのか。中でも、ティルダ・スウィントンの存在感がすごい。もー、遊んでいるとしか思えないけど。

https://longride.jp/the-dead-dont-die/

「ライト・オブ・マイ・ライフ」- Light of My Life -

ケイシー・アフレック監督脚本。謎の感染症の大流行から10年、父(ケイシー・アフレック)は、娘ラグ(アナ・プニョウスキ)を息子として連れ、人に合わないように森を移動しながらキャンプして暮らしていた。ラグが成長し、安心できる家を求めて二人はかつての祖父の家を目指すが…。パンデミック 後の世界の話だけど、去年の2019年夏米国で公開。全体に父娘モノとしてはよく出来ている。展開はゆったりして、セリフがやたらに長くて日本人にはちょっと厳しい。米国では高い評価なのに日本では低いのはそのせいかも。日本版の公式サイトもないほど力が入ってないのは、コロナのせいなのか。

https://www.rottentomatoes.com/m/light_of_my_life

「ポップスター」-Vox Lux-

ブラディ・コーベット監督。14歳のセレステ(ラフィー・キャシディ)は銃乱射事件に巻き込まれ重症を負うが、姉と作った追悼曲がヒットし、さらにマネージャー(ジュード・ロウ)の力でスターとなる。18年後、セレステ(ナタリー・ポートマン)はカムバック・ツアーに臨むが…。ナタリー・ポートマンが主演、製作総指揮。出だしのショッキングな展開はかなり凄い。これはイケるかと思ったが、その後はグズグズな印象。最近でも「ジュディ 虹の彼方に」など、スターものは多いし、その中でも平凡な出来でしかない。主題歌・劇中歌はシーア。

https://gaga.ne.jp/popstar/