電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「バズ・ライトイヤー」-Lightyear-

アンガス・マクレーン監督。スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤー(声:クリス・エバンス)は、自分のミスで1200人の乗客が危険な惑星T'KaniPrimから脱出できない事態になる。バズとアリーシャ・ホーソーン(声:ウゾ・アドゥーバ)は、ハイパースペース燃料クリスタルの開発を急ぎ、バスはテストパイロットとなる。やがて、バズ、アリー者の孫イジー(声:キキ・パーマー)、猫型ロボットのソックスたちは、敵と戦うことになるが…。「トイストーリー」のスピンオフ、バズ・ライトイヤーのルーツの物語。初日なのに観客少なかった、人気ないのかな。展開はテンポもよく、SFネタ満載で個人的にはかなり好き。SFファンにはおすすめしたいところ。科学的には無茶なネタも多いけど、まあ映画としては許す。ナンバーが42だったり、0.2秒ぐらいのスリットスキャンな映像とかが差し込まれたり、かなりSFファン、SF映画ファンにはマニアックに楽しめる。大体、Lightyear= 光年って名前からして、この物語にぴったり。「スターウォーズ」のオマージュ多めな感じがする。ザーグ(声:ジェームズ・ブローリン)のルーツがわかるのもいい。今回は、短編映画の上映はなし。

https://www.disney.co.jp/movie/buzzlightyear.html

「神は見返りを求める」

吉田恵輔監督。イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は梅川(若葉竜也)に呼ばれた合コンで、再生回数が伸びないYouTuberの優里(岸井ゆきの)と出会う。田母神は優里のYouTubeチャンネルを手伝うようになるが、優里は人気Youtuberチョレイ(吉村界人)、カビゴン(淡梨)とのコラボで人気が出てしまう…。吉田恵輔監督ならハズレないでしょ、それもオリジナル脚本、と思ったがやはり好きだな。見返りを求める男と恩を仇で返す女による愛憎劇、と簡単にまとめてしまうのが勿体ない物語。Youtuberの話だが、社会のいろいろに当てはまりそう。全体にナマナマしく、現代の生き苦しさが伝わってくる。ムロツヨシがいい味だしているが、岸井ゆきのも今っぽい女子役で「愛がなんだ」 並にいい感じだ。

https://kami-mikaeri.com/

「ザ・ロストシティ」-The Lost City-

アダム・ニー+アーロン・ニー監督。元学者でいまは人気恋愛小説家のロレッタ・セイジ(サンドラ・ブロック)は、ベス(ダバイン・ジョイ・ランドルフ)により宣伝ツアーに駆り出され、モデルのアラン(チャニング・テイタム)に苛立つ。そして、ある財宝を狙う大富豪フェアファックス(ダニエル・ラドクリフ)がロレッタの前にあらわれ、南の島へ誘拐してしまうが…。サンドラ・ブロックが制作で主演、有名俳優が多いが物語はかなりチープ。演出も古臭く、いかにもありそうな、アクション・アドベンチャーと思えるのだけど、まあまあ娯楽作としては悪くない。楽しめる。特にブラッド・ピットの存在はかなり良かった。色モノ役だけど、それが似合っている。

https://thelostcity.jp/

「ベイビー・ブローカー」-Broker-

是枝裕和監督。借金でクリーニング店を経営するハ・サンヒョン(ソン・ガンホ)、児童養護施設出身のユン・ドンス(カン・ドンウォン)は赤ちゃんポストの子供の養父母探しで儲けようとするが、母親ソヨン(イ・ジウン)が戻り三人で行動することになる。一方、刑事のスジン(ペ・ドゥナ)とイ(イ・ジュヨン)は逮捕のために彼らを追うが…。赤ちゃんポストとブローカーから話は始まるが、意外に広く話は展開していく。犯罪というよりは、是枝の「万引き家族」を思い出させる、家族というものを考えさせる話かな。映画としては最後はアレでよかったのかなあ、という疑問はちょっとあるが。韓国で撮っているので、いつもの是枝裕和とは撮影や演出のスタイルはちょっと違うと感じた。

https://gaga.ne.jp/babybroker/

「PLAN 75」

早川千絵監督。近未来の日本、75歳以上が自ら生死を選択できる制度PLAN75が施行される。78歳ホテルの客室清掃員の角谷ミチ(倍賞千恵子)はPLAN75を検討し、市役所のプラン75申請窓口の岡部ヒロム(磯村勇斗)は音信不通だった叔父を幸夫(たかお鷹)と再会、マリア(ステファニー・アリアン)は娘の手術のために施設で働き、成宮瑶子(河合優実)はコールセンターで働くが…。もとは是枝裕和総合監修オムニバス「十年 Ten Years Japan」(未見)の短編、それを長編化したもの。観客をみると八割がプラン該当者…のような感じがする。どういう気持ちで見ているのかの方が興味があった。カンヌでカメラドールの次点。海外だと近未来な映画に見えるかもしれないが、日本人からすると、まったく現代そのままってのが恐ろしいな。派手な演出や感情を抑えた展開が、怖さを醸成している。「ソイレント・グリーン」を連想したよ

https://happinet-phantom.com/plan75/

「峠 最後のサムライ」

小泉堯史監督、司馬遼太郎原作「峠」。徳川慶喜(東出昌大)の大政奉還により江戸時代も終焉のとき、越後長岡藩牧野家家臣・河井継之助(役所広司)は幕府側、官軍側のどちらでもない中立と独立を目指していた。戊辰戦争の中、新政府軍が長岡に迫り、従僕・松蔵(永山絢斗)、継之助の妻・おすが(松たか子)、友人・小山良運(佐々木蔵之介)たちの生活にも影を落としてきたが…。イマイチ人気はない気がするが、司馬遼太郎原作、小泉堯史監督の予想通りに重厚な時代ドラマになっている。戊辰戦争時に本気の中立を論じる役所広司の姿はなかなか新鮮で興味深い。子供っぽいところも面白いが、若い時代は原作ではかなり描かれているらしい。その分、新政府軍の岩村精一郎(吉岡秀隆)はかなり悪役な感じ、終始不機嫌な悪人面なのがよい。

http://touge-movie.com/

「炎の少女チャーリー」-Firestarter-

キース・トーマス監督、スティーブン・キング原作「ファイアスターター」。チャーリー(ライアン・キーラ・アームストロング)はパイロキネシス(自然発火)の能力を持っていたが、それはかつて父アンディ(ザック・エフロン)と母ヴィッキー(シドニー・レモン)がロト・シックスという新薬の治験を行ったためだった。隠れて暮らしていた三人だが、組織ザ・ショップに見つかり、エージェントのレインバードに追われることになる…。リメイク、ドリュー・バリモア主演の1984年版もたいして面白くなかったが、それの倍ぐらいつまらない。原作ではそれなりなんだが、映像が難しいんだろうか。追跡劇も緊迫感がなく、なんとも単調な話になってしまうんだよなあ。レインバードも迫力も重みもないし。

https://www.universalpictures.jp/micro/firestarter