電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「CUBE」- CUBE - ☆

カナダの監督、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督。正体不明の立方体に理由も判らないままに閉じ込められた人びと。疑心暗鬼から生まれる人間関係の歪みが密室サスペンスを作る。立方体の正体、その理由、数字の謎、さらに脱出劇、さまざまな要素がラストまでグイグイと引っ張っていってくれる。観客は、実際、主人公の誰にも感情移入出来ない。それぞれに疑わしいので、新たな一人のメンバーとして映画の中に引き込まれる事になる。ラストは夢も希望も無いという気がするけど…嫌いじゃない。しかし、お金をかけずにいい映画を作るなあという、作り手の側の工夫に感心した。同じセットをライトを変えるだけで違うセットに見せるというのは単純だけに、実に上手い。ある種、演劇セットの巧みな使い廻しの様。