電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「騙し絵の牙」

吉田大八監督、塩田武士原作。大手出版社・薫風社は創業一族の社長が急逝、宮藤(佐野史郎)と東松(佐藤浩市)の派閥争いが発生。社内改革の中、小説薫風の高野恵(松岡茉優)はカルチャー誌トリニティの編集長・速水(大泉洋)の下で働くことになるが…。出版社、編集の世界、本の流通、文学と雑誌の違い、表現の自由、メディアの変化などなど盛り込みながらとても上手くエンタメ化映像化している。すべての物事に裏があり、物語が転がっていく面白さが100%。原作から大泉洋をイメージしているだけあって、うまく役にハマってる。…と思っていたが、映画のあとに原作を読んでみたらまるで違う話で驚いた。背景や人物は同じだがかなり違う、騙された感じ。映画の話の方がずっと面白い。城島咲(池田エライザ)、矢代聖(宮沢氷魚)の使い方なんか上手いし、リリー・フランキーもいいアクセント。大先生の二階堂大作(國村隼)、小説薫風編集長・江波百合子(木村佳乃)、評論家・久谷ありさ(小林聡美)の配置の仕方も巧み。

https://movies.shochiku.co.jp/damashienokiba/