電子竹林:Blog

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「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」-Killers of the Flower Moon-

マーティン・スコセッシ監督、デビッド・グラン原作「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」。1920年オクラホマ州オーセージ郡、石油の採掘権により莫大な富を得た先住民オセージ族、その財産に群がる白人たちがいた。戦争から戻ったアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)は、叔父である地元の有力者キング(ロバート・デ・ニーロ)の元に身を寄せ、やがてオーセージ族のモーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)の運転手となるが…。ノンフィクションの原作は鑑賞の二日前に一気に読んだ、めちゃくちゃ面白い、というか怖い話であり、それを解き明かしていくリアルなミステリー、探偵モノでもあった。映画は原作のエピソードを忠実にうまく使って物語にしている。やや、アーネストがいい奴に描かれている気もするが、これは偏見かも。スコセッシ風味は弱め。これが実話というとこが心底怖い。歴史の闇という部分では「福田村事件」に通じる映画ではあるが、規模がすごいし、システム化しているところが恐ろしい。三時間半はちょっと長く、もっとテンポ良く作れたと思う。前半がかなりゆっくりで、ホワイト捜査官(ジェシー・プレモンス)が出てくるまでで二時間。物語としては、ちょっとバランスが悪い気もした。また、FBIの元になったフーヴァーの科学的捜査とか、潜入捜査とかほとんどナシ。裁判もかなり省略。その割にはのちのラジオドラマとか入れ込むし(面白いシーンだけど、意味わかるのか?)。まあ、満足な映画ではあったけど、これは圧倒的な原作の力かなと思う。

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