電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-01-02から1日間の記事一覧

「一日江戸人」

杉浦日向子 小学館文庫。杉浦日向子の江戸ものは、庶民風俗と言うかライフスタイルに近いものを扱った物が多いけど、これもその一つ。絵が多いので、あっと言う間に読み終わってしまう(^^;)。入門、初級、中級、上級編と分かれ、内容もファッション、食文化…

「ひとりで歩く女」- She Walks Alone - Helen MacCloy

ヘレン・マクロイ、創元推理文庫 、宮脇孝雄訳。ストーリ的な面白さやトリックよりは、このミステリーは構成の面白さが魅力である。最初100ページ以上は、ある女性の奇妙な手記である。存在しない庭師の手紙の代筆、預かった荷物の十万ドルの札束、謎の殺人…

「決着」- Decider -

ディック・フランシス、 ハヤカワ文庫、菊池光訳。今回、主人公は建築家。男爵一族が経営する老巧化した競馬場、その株を亡き母から譲り受けたいた主人公のモリス。競馬場をめぐる謀略に巻き込まれていく。可もなく不可も無く、相変わらずディック・フランシ…

「邪馬台国はどこですか?」 鯨統一郎

創元推理文庫。第三回創元推理短編賞の一次選考を通過した風変わりな作品、「邪馬台国はどこですか?」に新たに5作品を加えたのが本書。従来の歴史ミステリというジャンルとはちょっと違うとは思う。SF作家が科学技術をコネクリ回して新たな世界を考えるよ…

「封印された数字」- The Holland Suggestions - John Dunning

ジョン・ダニング 、ハヤカワ文庫 、松浦雅之訳。「死の蔵書」、「幻の特装本」のジョン・ダニングの処女作。前の二作が大人気だったので、急遽、出版したという所かな。本書「封印された数字」が生まれたのは1973年。確かに処女作らしい、まだ文章や構成の…

「ソウル・マイハート」

黒田福美 講談社文庫。黒田福美の韓国に関するエッセイ集。黒田福美と言えば「タンポポ」以来の女優のイメージしかないのだけど、ソウル・オリンピックの前後には韓国通の女優としてのレポータの仕事も多かったらしい。韓国のバレーボール選手に憧れて韓国語…

「ビッグ・ピクチャー」☆- The Big Picture - Douglas Kennedy

新潮社文庫、ダグラス・ケネディ、中川聖訳。ウォール街の法律事務所のジュニア・パートナー弁護士ベンが主人公。年収30万ドルを越えるヤッピー、妻と二人の息子を持つはた目には幸福な生活。しかし、妻の浮気に気が付いたベンが激情から犯罪に及ぶ。そして…

「ブラックライト」下 ☆- Black Light - Stephen Hunter

扶桑社、スティーヴン・ハンター、 公手成幸訳

「ブラックライト」上 ☆- Black Light - Stephen Hunter

扶桑社、スティーヴン・ハンター、 公手成幸訳。面白かった。主人公ボブ・リー・スワガー、海兵隊退役一等軍曹、伝説のスナイーパーで常に冷静沈着、クールでタフガイ、真の男というイメージ自体がかなり古臭い気もするんだけど、実際にはアクションだけでな…

「小説 始皇帝暗殺」

荒俣宏 角川文庫。原案陳凱歌王培公映画「始皇帝暗殺」の原作、というよりはノベライズ。著者は荒俣宏の名前となっているけど、映像そのままで、映画ができ上がってからノベライズしたと考えた方がよさそうな内容。映画を観ていれば、確認用以外、別に読む必…

「不安と憂鬱の精神病理」

大原健士郎 講談社+α文庫。神経症とうつ病の二つ大別して、一般人にも判りやすい様に解説している。浜松医科大学名誉教授の著者本人は、森田療法の信奉者の様で、中盤は森田療法および森田正馬(もりたまさたけ)自身についてもかなりページを割いている。平易…