電子竹林:Blog

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「キメラ暗殺計画」

小野博通 角川書店。第13回横溝正史賞優秀作(1993)詰まらないという話を聞いて、試しに借りて読んでみたら、超詰まらなかった。ストーリは、日本で米国大統領暗殺を阻止する医者の活躍。しかし、文章が下手、ストーリに無理がある、人物像が納得出来ない、主人公のスーパーヒーロ像が古臭い…結局、一つとしていい所がない(^^;)。著者の小野博通はフリーランスの外科医(ブラック・ジャックか?)。さすがに商売に関する部分、血液を使うアイデアはいいし、手術シーンはそれなりに迫力ある。昭和16年神戸生まれ。1941年だから、1993年当時で52歳。その割には年寄り臭い所が目立つ。京都弁のナースの町子、大統領令嬢のニコラとのホリデー・イン・キョートを気取った京都観光、なんとも年寄りの願望が出ている。しかし、こんなのを優秀作にするとは横溝正史賞の品格を疑う。