電子竹林:Blog

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「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」

根岸吉太郎監督、田中陽造脚本、太宰治原作「ヴィヨンの妻」。大酒を飲み借金を重ね浮気を繰り返す小説家の大谷(浅野忠信)、大谷の借金の代わりに妻の佐知(松たか子)は中野の飲み屋・椿屋に働きに出るが、あっという間に店の人気者となってしまう…。原作の短編は読んでいるけど、正直な話、ほとんど印象に残っていない。根岸吉太郎の作風はもともと好きなんだけど、小さな世界だけどそこで生きていく人々の心のひだを鮮やか映し出す手腕は見事。田中陽造鈴木清順組の印象が強いけど、この脚本もいい。もう一度原作を読んで、いかに映像化していったのか考えてみたい。秋子役の広末涼子は微妙なトコだけど、出しゃばらなくていいかな。唯一、妻夫木聡だけが浮いてた感じ。演技が悪い訳じゃないんだけど、どうしても戦後の人には見えない。

http://www.villon.jp/