電子竹林:Blog

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「ケイコ 目を澄ませて」

三宅唱監督、小笠原恵子「負けないで!」原案。生まれつき耳が聞こえない小河ケイコ(岸井ゆきの)は、仕事をしながら下町のジムに通いプロボクサーとしてリングに立っていたが、弟の聖司(佐藤緋美)、母(中島ひろ子)はケイコの体を心配していた。ケイコが通うジムの会長(三浦友和)、林(三浦誠己)、松本(松浦慎一郎)たちの努力にもかかわらず、ジムは閉鎖することになるが…。見逃していたんだけど、本作のいろいろ受賞で上映が増え、やっと観られた。物語の展開は淡々としている。岸井ゆきはセリフ無しの演技で、複雑な感情を豊かに表現してる印象。プロではあるがまだまだ新人で、試合シーンは地味目。練習シーンの方がずっとよくて、ミット打ちのシーンはダンスのような美しさがあって面白い。撮影の月永雄太、照明の藤井勇が作り出す映像は、古いジムの空気感をうまく引き出していた気がした。中島ひろ子が母親役、仙道敦子が会長・三浦友和の妻ってとこに時代を感じるなあ。聴覚障害に対する気づきとしては、マスクで口元が見えない、警官の呼びかけに応えられないなどの問題を教えてくれるのもいい。

https://happinet-phantom.com/keiko-movie/