電子竹林:Blog

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「怪物」

是枝裕和監督、坂元裕脚本。湖が近い郊外の街、シングルマザーの早織(安藤サクラ)はクリーニング屋で働きながら息子の湊(黒川想矢)を育てていたが、湊と同級生の依里(柊木陽太)とのケンカ事件が起きる。早織は、学校へ出かけ伏見校長(田中裕子)、担任の保利(永山瑛太)に会おうとするが…。是枝裕和で当然の期待の作品、2023カンヌのコンペティション部門脚本賞クィア・パルム賞を受賞しているのを後で知ったが、これは予備知識としては邪魔な気がする。全体の構成も知らなかったのだけど、ああ、なるほどこういう展開か、と気づいた時にはすでに術中にハマっていた。そして、曖昧ではあるが、暗示的なラストのまとめ方はかなり好き。全体に、真実を求めるような見方をすると本質を失うと思う。いろいろと考えさせる映画として捉えていいのでは。子供の使い方や撮り方は、相変わらず上手いなあ。脇役もみんな良くて、孫が亡くなったばかりの校長という田中裕子、依里の父の中村獅童たちの設定も背景を想像してしまって怖い。

https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/