電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「サラの鍵」

ジル・パケ=ブレネール監督、タチアナ・ド・ロネ原作。1942年のパリ、フランス警察によるユダヤ人一斉検挙が始まる。スタルジンスキ一家の10歳のサラ(メリュジーヌ・マヤンス)は幼い弟を納戸に隠し、ヴェルディヴ(冬季競技場)に隔離される。現代のパリ、夫ベルトランと娘とパリで暮らす米国記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)はヴェルディヴ事件を取材中、夫の祖母のアパートがユダヤ人一家のものであった事を知る…。「黄色い星の子供たち」(id:zom-1:20110813#p1)と同じヴェルディヴ事件の話。扱っている事件の重さは同じであるが、こちらの方が映画的には上手い。細い糸を辿っていく様を描く構成の巧みさには舌を巻く。長い時間の流れと、多くの人の足跡と繋がりから真実の物語を紡いでいく過程は、ジャーナリズムの本質を感じる。原作未読だけど、これは読んでみないといけない。

http://www.sara.gaga.ne.jp/