電子竹林:Blog

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「君たちはどう生きるか」

宮崎駿監督原作脚本。牧眞人(声:山時聡真)は、開戦から3年後に母ヒサコを火事で失う。航空機の軍需工場を経営する父ショウイチは、ヒサコの妹であるナツコ(声:木村佳乃)と再婚するため、眞人とともに母方の実家へ疎開。その屋敷には、アオサギ(声:菅田将暉)が住む、大叔父が建てた朽ちた洋館があった…。公開前情報はまったく無く、異常なほどの秘密主義だった。後の世に、映画の内容よりそっちの方が記憶として残ってしまうのではないか。原作だと思っていた、吉野源三郎の著作はほとんど関係なく、物語でちょっと登場するのみ。アニメーションとしては、絵も動きも綺麗で、それぞれのシーンは完成度はかなり高い。それでも、いままでどこかのジブリ作品で使われていたものの、焼き直し感はある。アニメーションは美しくはあるが、それを貫くストーリがなく、バラバラな印象。全体を貫く一貫性や物語性は低い。おそらくは、宮崎駿の父親の会社や母親、疎開などの過去の経験を色々盛り込んでファンタジーに仕上げているんだろうけど、面白い物語にはなっていない。まあ、それでもメッセージはわかるけど、このタイトルを使うのはやはり納得できない。