電子竹林:Blog

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「ポトフ 美食家と料理人」-La Passion de Dodin Bouffant -

トラン・アン・ユン監督。19世紀末のフランスの片田舎。美食家ドダン(ブノワ・マジメルとその友人たちは、料理人ウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)の料理を楽しむ日々。また、二人は少女ポーリーヌ(ボニー・シャニョー・ラボワール)の才能を見抜き、料理を教える。その頃、ドダンはユーラシア皇太子から晩餐会に招待されるが…。トラン・アン・ユン監督でカンヌの最優秀監督賞なら観ないわけにはいかない映画。料理の香りや食感、色彩、あと少女のかわいさ、からは原点「青いパパイヤの香り」に戻った印象を受ける。七割は料理、そしてそれを食べるというシーン、それだけで幸せな映画を作り上げているのが素晴らしい。19世紀末が舞台だけど、調理器具や調理方法や食器や食べ方まで、いろいろクラッシックで面白い。コンソメの卵白の丁寧さ、鳥の皮一枚内側にトリュフを入れ込む繊細さ、とくナプキン(?)を被って食べるシーンが傑作だった。あれは試してみたい。ユーラシア皇太子のシェフ役ピエール・ガニェールが料理監修。全体の映画的な印象は「日の名残り」みたいな感覚。原題を直訳すると「ドダン・ブッファンの情熱」だけど、「ポトフ」ではないよなあ。米国の公開タイトルは「THE TASTE OF THINGS」みたい、これもなあ…。

https://gaga.ne.jp/pot-au-feu/