電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「モンタナの目撃者」-Those Who Wish Me Dead-

テイラー・シェリダン監督脚本、マイケル・コリータ原作「Those Who Wish Me Dead」。森林消防隊員ハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、トラウマを追って一人監視の仕事をしていた。ある政治スキャンダルを揉み消すためにジャック(エイダン・ギレン)、アリソン(メディナ・センゴア)は車を襲撃をするが、情報を持ち少年コナー(フィン・リトル)は一人で森を逃走、ハンナと出会う。一方、保安官アーサー(タイラー・ペリー)と身重の妻アリソン(メディナ・センゴア)も事件に巻き込まれて行くが…。「ウインド・リバー」の監督、「ボーダーライン」の脚本のテイラー・シェリダで期待あり。マイケル・コリータの原作は未読。設定や展開はなかなか良いのだが、森林消防隊員ってとこでパラシュートや防火テントなどなど活躍するかと思ったが、あんまり活かされてなかったかな、面白かったけど。脇役アリソンの意外な活躍はかなり良い、主人公より凄かった。

https://wwws.warnerbros.co.jp/mokugekisha/

「アナザーラウンド」-Druk-

トマス・ビンターベア監督。デンマーク、家族との会話もない高校生の歴史教師マーティン(マッツ・ミケルセン)、友人は同僚トミー(トマス・ボー・ラーセン)ニコライ(マグナス・ミラン)、ピーター(ラース・ランゼ)たち。教師である四人はノルウェー人の哲学者が提唱した"血中アルコール濃度を一定に保つと仕事もプライベートもうまくいく"という説を実践することに。朝から酒を飲み、常に酔った状態を保とうとするが…。結構面白いし、好きなのだが、最後のまとめがあれでいいのかは疑問であるなあ。死人まで出るのに。妙に肯定的に観ている人も多いみたいだが、製作者の意図はホントにそこにあるのかなあ。マッツ・ミケルセンのアル中ぶりはなかなかいい。ちなみにデンマークは16歳以下への酒類販売は禁止しているが、飲酒に関しては禁止していない。高校生もかなり飲んでたし。

https://anotherround-movie.com/

「シャン・チー テン・リングスの伝説」-Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings-

デスティン・ダニエル・クレットン監督。シャン・チー(シム・リウ)は、犯罪組織テン・リングスの父ウェンウー(トニー・レオン)に幼い頃から鍛えられていたが、その力を隠してサンフランシスコの平凡なホテルマンをしていた。ある時、友人ケイティ(オークワフィナ)と共に謎の集団に襲われたことから、マカオの妹ケイティ(オークワフィナ)の元を訪ねるが…。マーベルの犯罪組織テン・リングスの裏話的な物語。アベンジャーズの世界だけど、俳優も設定も中国映画の雰囲気で、最後は怪獣映画になってるけど。予告編で、シム・リウは若い頃の渥美清がカンフーしているみたい、冴えないなと思ったけど、まあアクション的には悪くないかな。物語自体はかなり単純だけどテンポもいいし、展開もまあまあ。個人的にはミシェル・ヨートニー・レオンが出てくるだけで嬉しいのだけど、やはり主人公冴えないな。妹も。

https://marvel.disney.co.jp/movie/shang-chi.html

「白頭山(ペクトゥサン)大噴火」-Ashfall-

イ・ヘジュン+キム・ビョンソ監督。北朝鮮と中国の国境付近の白頭山が噴火、ソウルでもビルが崩壊しパニックが起き、政府は地質学者のカン教授(マ・ドンソク)の協力を得て75時間後の大噴火を予想、韓国軍爆発物処理班チョ大尉(ハ・ジョンウ)は除隊し出産間近の妻ジヨン(ペ・スジ)の元へ戻るはずだったが、北朝鮮工作員リ・ジュンピョン(イ・ビョンホン)を脱出させ極秘作戦に乗り出すことになるが…。マ・ドンソクは脇役で、ハ・ジョンウとイ・ビョンホンがメインの展開。白頭山が大噴火で、舞台は北朝鮮だけどそこは上手く韓国人が活躍する物語になってる。白頭山自体、地学的に噴火で有名なんで興味あったんだけど、北朝鮮・中国国境にあるのであんまり話題になってなかった。そこを題材にしたのはいい着目点だと思う。ま、CGはかなりショボめ。「神と共に 第一章 罪と罰」の撮影監督キム・ビョンソが共同監督というトコで大体レベルがわかるが。

http://paektusan-movie.com/

「劇場版 アーヤと魔女」

宮崎吾朗監督、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ原作。1990年代の英国、魔女の母親を知らずに施設で育ったアーヤ(声:平澤宏々路)は、10歳の時にベラ・ ヤーガ(声:寺島しのぶ)、マンドレーク(声:豊川悦司)と名乗る二人に引き取られる。黒猫トーマス(声:濱田岳)とも仲良くなったアーヤは、魔法を教えてもらう事を条件にベラ・ヤーガの助手として働き出すが…。NHKで放送したのは未見だけど、長さは1分しか違わないからほとんど同じものなのかなあ。いやー、これは脚本的に映画としては成立していないでしょう。どういう終わり方なのこれ、手抜きというか、未完成としかいいようがない。3Dアニメも技術的に10から20年遅れな印象。最初の3分ぐらいはこれはイケるかなと思ったが、見る価値無しだな。

https://www.aya-and-the-witch.jp/

「鳩の撃退法」

タカハタ秀太監督、佐藤正午原作。かつて直木賞を受賞した津田伸一(藤原竜也)は、担当編集者・鳥飼なほみ(土屋太鳳)に新作を読ませる。それは、ある地方都市の家族と姿を消したバーのマスター・秀吉(風間俊介)、その地方の裏社会の牛耳る倉田健次郎(豊川悦司)、津田の行きつけのコーヒーショップ店員・沼本(西野七瀬)、津田の馴染みの古本屋・房州老人(ミッキー・カーチス)、デリヘル優倶楽部・川島社長(岩松了)たちが絡む複雑な話だが、鳥飼は実話ではないかと疑うが…。ベストセラーらしいが原作は未読。小説家が語る執筆中の小説、という二重構造と思ってたら一つにまとまっていくミステリー、虚構現実やたらに複雑に絡んでいると思ったが、鳩で綺麗につながるところは上手いな。複雑嫌いな人には勧めないが私は好き。でも、小説で読んだ時は、これだけの登場人物を覚えておける自信ないな。映像化不可能と言われてたらしいが、映画の方が分かりやすいのではないか。いや、原作読んでないから分からないけど。

https://movies.shochiku.co.jp/hatogeki-eiga/

「オールド」-Old-

M・ナイト・シャマラン監督、父ガイ(ガエル・ガルシア・ベルナル)、母プリスカ(ビッキー・クリープス) 、息子トレント、娘カラの四人家族はリゾートへやってくるが、両親は離婚寸前の上にプリスカは腫瘍が発見されたばかり。穴場のプライベートビーチで1日を過ごそうとするが、そこには医者のチャールズ (ルーファス・シーウェル)と妻、その娘たちが同行。しかし、砂浜では奇妙な事が起き始めるが…。元ネタはピエール・オスカー・レヴィとフレデリック・ピーターズのグラフィックノベルSandcastle」、未読なのでどの程度同じなのかよく分からないがシャマランがインタビューでは原作とははっきり言ってないので元ネタぐらいか。予告編でかなり面白そうだったが、一発の設定だけの中身ではなく、閉鎖空間でのサバイバルもののように次々と繰り出してくる展開はかなり面白い。後半で「OLD」って深い意味がわかると詩的な、哲学的な味わいさえ感じる。ある評では実存主義で終わるって書いてあった、なるほど。人生、ぼーっとしていると砂浜の1日で一生が終わるのと変わんないんじゃない、って思えてしまうトコが実は一番怖かった。人生の色々なイベントの入れ込みかたも上手い。俳優としてのシャマラン、出番多すぎ。

https://old-movie.jp/