電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「ソー ラブ&サンダー」-Thor: Love and Thunder-

タイカ・ワイティティ監督。サノスとの激闘の後、ソー(クリス・ヘムズワース)はガーディアンズ・オブ・ギャラクシーたちと宇宙を旅していたが、神殺しのゴア(クリスチャン・ベール)が現れる。新たな王となったヴァルキリー(テッサ・トンプソン)、ソーはゴアに苦戦するが、そこにムジョルニアを手にジェーン(ナタリー・ポートマン)が現れる…。もー、マーベルはいいやと思っていたが、ついつい初日に観てしまった。これはダメだなあ、まったくつまらん。子供騙し以下だなあ。ラッセル・クロウがデブなゼウスをやっているとこにクスっときたぐらいだ。ソーはこの路線でずっとやっていくのだろうか。

https://marvel.disney.co.jp/movie/thor-love-and-thunder.html

「神々の山嶺(いただき)」-Le sommet des dieux-

パトリック・インバート監督、夢枕獏+谷口ジロー原作。ネパール・カトマンズで取材中だった雑誌カメラマンの深町誠(声:堀内賢雄)は、英国人登山家ジョージ・マロリーが1924年6月8日エベレスト登頂した証拠となるカメラと出会い、それは消息不明だった登山家・羽生丈二(声:大塚明夫)へとつながるが…。原作未読、コミック版はかなり好き。フランスでアニメ化と言っても、谷口ジローの絵が動いている感じはなく、かなりフランスで描く東洋人顔。まあその辺はしょうがないか。雪山の描き込み感は凄い。2016年「エベレスト 神々の山嶺」 実写版より、山のシーンはいい気がする。まあ実写には制約があるからしょうがないが。物語としては緊張感を持続しながらの後半の展開は上手い。実写版より物語としては好きかも。

https://longride.jp/kamigami/

「わたしは最悪。」-The Worst Person in the World-

ヨアキム・トリアー監督。ノルウェーオスロ。30歳のユリヤ(レナーテ・レインスベ)は、いまだ自分の道が見つけられずにいた。恋人のアクセル(アンデルシュ・ダニエルセン・リー)はグラフィックノベル作家として成功するが、ユリヤは紛れ込んだパーティで、アイヴィン(ハーバート・ノードラム)と出会う…。2021カンヌの女優賞。30歳女性の結婚、出産、仕事、キャリアというあたりの描き方は、世界共通のようでなかなかに興味深い。それをレナーテ・レインスベ、うまく演じている。でも、そこまでだなあ。かなり共感はあるが、物語的にはそれ以上のものがないかな。これは観る人の視点の違いもあるかもしれない。

https://gaga.ne.jp/worstperson/

「リコリス・ピザ」-Licorice Pizza-

ポール・トーマス・アンダーソン監督。1970年代のロサンゼルス郡サンフェルナンド・バレー、子役として活躍するゲイリー・バレンタイン(クーパー・ホフマン)は、卒業写真のアシスタントをしていたアラナ・ケイン(アラナ・ハイム)と出会い、強引に食事に誘う。アラナは女優のオーディションを受け、ジョエル・ワックス(ベニー・サフディ)の市長選のボランティアに参加する。一方、ゲイリーはウォーターベットの販売を始めるが…。1970年代のハリウッド近郊、という当時の雰囲気は面白い。物語的にはまとまりがないのがなんとも残念。実話のエピソードをもとに作っていて、それぞれは面白いのだけどなあ。監督のレックス・ブロウ(トム・ウェイツ)、俳優ジャック・ホールデン(ショーン・ペン)のエピソードや、ジョン・ピーターズ(ブラッドリー・クーパー)のエピソードはなかなか良いのだけど、全体の中でどういう位置にあるのか分からない。内輪では面白いのだろうけど。日本人妻キミコ(安生めぐみ)をめぐっては、人種差別的だと非難されていたが、まあそこまででは無いかなと思った。

https://licorice-pizza.jp/

「ブラック・フォン」-The Black Phone-

スコット・デリクソン監督、ジョー・ヒル原作「黒電話」(短編)。子供の失踪事件が続くコロラド州デンバー北部。少年フィニー(メイソン・テムズ)は、マジシャンだという男(イーサン・ホーク)に声をかけられ、そのまま誘拐されてしまう。気付くと地下室に閉じ込められていたが、断線した黒電話が鳴る。一方、フィニーの妹グウェン(マデリーン・マックグロウ)は兄の失踪の夢を見るが…。あまあな話なんだが、超自然的な力の絡み方が曖昧で、その辺に面白味が薄い。特に、妹は重要な役なのに、物語への絡み方がイマイチ弱いのは何故なんだろうか。妹絡みで十倍は面白くなったのに。ラストの、脱出ゲームみたいなイロイロはちょっと面白かったが、そこだけの一発ネタな気もする。しかし、イーサン・ホークである必要あったのか。監督の色よりは製作のジェイソン・ブラムも色合いが強い感じ。

https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone

「モガディシュ 脱出までの14日間」-Escape from Mogadishu-

リュ・スンワン監督。1990年、韓国は国連への加盟を目指しアフリカ諸国でロビー活動を展開。一方、北朝鮮もアフリカとの外交を始めていた。その頃、ソマリアで内戦が勃発。ソマリアの韓国大使ハン・シンソン(キム・ユンソク)、その参事官カン・テジン(チョ・インソン)、大使夫人・ミョンヒ(キム・ソジン)は国外脱出を目指しながら籠城を続ける。また、北朝鮮大使リム・ヨンス(ホ・ジュノ)、参事官テ・ジュンギ(ク・ギョファン)と家族たちは逃げ延び、韓国大使館に助けを求めるが…。2021年青龍映画賞で作品賞、監督賞ほか5部門を受賞、韓国で大ヒット。「ベルリン・ファイル」の監督で、海外での南北朝戦の対決と交流ってとこは同じ構図な映画。ただ、あそこまでは繊細でいい展開でもなかった、でもまあまあかな。1988年ソウル五輪が成功し、世界に出ていく時代感覚は今見るとなかなか面白いかも。しかし、南北で友情は生まれるが、その気持ちはじっと隠して静かに別れる、ってラストは南北ものの定番だなあ。ちょっと使いすぎという気もする。

https://mogadishu-movie.com/

「エルヴィス」-Elvis-

バズ・ラーマン監督。エルビス・プレスリー(オースティン・バトラー)は、ゴスペルに影響を受けた音楽とダンスで大人気となったが、保守的な世間の批判を浴びる。強欲なマネージャーのトム・パーカー(トム・ハンク)は、なんとかプレスリーをコントロールしようとする。「ハウンドドック」などヒット曲を出すが、1958年に徴兵され西ドイツへ、そこで知り合ったプリシラ(オリビア・デヨング)と結婚することになるが…。音楽はまあまあな印象だが、細かいつなぎの演出が古臭いのと、長すぎなのはイマイチな印象を受ける。黒人音楽のゴスペル、R&Bからの影響、さらにソウルやロックが生まれる過程はもっと長くやってほしいとこだったが、まあしょうがないか。エルヴィスの出番も多い「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」 ジェリー・リー・ルイスではその辺は面白かった。ゴスペルは白人は覗き見が基本なのも一緒。そういえばジェリー・リー・ルイスは名前も出てこなかった気がする。BBとか出番多いのに。プレスリーといえば「グレイスランド」はいい映画だった。ロックな映画じゃないが。

https://wwws.warnerbros.co.jp/elvis-movie/