電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「インターネットは空っぽの洞窟」

SILICON SNAKE OIL, Second Thoughts on the Infomation Highway。- Clifford Stoll、クリフォード・ストール 倉骨彰訳 草思社。随分と話題になった本ではあるけど、やっと読んだ。インターネットの問題点を指摘した本は多くあるけど、どれも内容に乏しくて、著者が「カッコウはコンピュータに卵を生む」の人じゃなければ読まなかっただろう。著者が初期からのインターネットを詳しく知っているのだから、なんらかの真実はあると思って読む。論点としてはそれほど新鮮ではない。非建設的な電子会議の会話、役に立たない電子メール、果てしないバージョンアップ、判りにくいソフトにさらに判りにくいソフトのマニュアル…。手書きで配達人が配る手紙は味があるし、図書館のオンライン検索よりカード目録が好き、コンピュータ上では無い現実の世界には素晴らしいものが広がっている…。まあ、そんなトコだけど。まあ、言いたい事は判るけど郷愁の様にしか聞こえない。原題から考えると邦題はちょっと過激かも。