電子竹林:Blog

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「花腐し」

荒井晴彦監督、松浦寿輝原作。ピンク映画の監督・栩谷修一(綾野剛)は5年間映画を撮れずにいたが、同棲していた祥子(さとうほなみ)が監督の桑山(吉岡睦雄)と心中してしまう。そして修一は、金昌勇(マキタスポーツ)の頼みで、立ち退き交渉のために伊関(柄本佑)を訪ねるが…。原作は2000年の芥川賞。当時すぐに読んだけど記憶曖昧。イメージ的にはかなり違っている。ピンク映画の世界をモチーフにしている。原作にはその要素はないのだが、脚色としては悪くはない。無理に繋げた感もあり、不自然な感じもある。特にラストは原作ではいいが、この映画としてはどうなんだろうか。全体には、なんかドロドロとして鬱屈していて、そういう文芸風な映画。これは嫌いじゃないけど人は選ぶかな。山崎ハコが突然出てきて驚いた。奥田瑛二が沢井という脚本家として出てくるが、これは完全に荒井晴彦。1990年前後の荒井晴彦に雰囲気似てる。この映画に1991年別冊宝島「シナリオ入門」がチラリと出てくるが(荒井晴彦も書いてる)、これはいい本だった。今はシド・フィールドの本が翻訳されているからいいけど。

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