電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「マトリックス レザレクションズ」-The Matrix Resurrections-

ラナ・ウォシャウスキー監督。ネオ(キアヌ・リーブス)はマトリックスの中で、大ヒットゲーム「マトリックス」を作り上げたトーマス・アンダーソンという名のデザイナーとして暮らしていた。幻覚に悩むトーマスは、精神科医のアナリスト(ニール・パトリック・ハリス)に青いピルを処方されなんとか生活を送っていたが、ある時、カフェでティファニーとして暮らすトリニティー(キャリー=アン・モス)と再会、さらにモーフィアス(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)たちにより現実へ引き戻されるが…。セルフパロディのようで、ちゃんと物語として成立している。オリジナルの「マトリックス」 が好きなら楽しめると思う。2は蛇足、3の「マトリックス レボリューションズ」は駄作だと思ってるけど、今回のは好き。作る必要があるのか、というと疑問ではあるが。トリニティーの使い方がいい。キアヌ・リーブスキャリー=アン・モスも年に負けずに頑張っている。キャラとしてはジェシカ・ヘンウィックもいいが、さらっとプリヤンカー・チョープラー・ジョナスが出てたり凄い。レザレクションズは"キリストの復活"や”審判の日の復活”の意味でも使うけど、今回のは複数形。

https://wwws.warnerbros.co.jp/matrix-movie/

「あなたの番です 劇場版」

佐久間紀佳監督。都内のマンションに引っ越した菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)の新婚夫婦、その2年後にクルーズ船で船上ウェディングパーティを開くことになる。参加した住人の間に不穏な空気があったが、やがて第一の殺人が起きる。沙和(西野七瀬)の近くには住人ではない忍(横浜流星)の姿、さらに謎の謎の女・優(門脇麦)がいたが事件が続き、刑事の神谷(浅香航大)、水城(皆川猿時)が捜査を始める…。オリジナルのドラマはまるで未見、予告編で田中圭の奥さん原田知世そっくりじゃん、ぐらいに思ってたぐらい 興味なかった。時間の都合でつい観てしまったが、まあ観なくてよかったなというのが第一印象。ドラマ版のファンは楽しめるかもしれないが、全体にはチャチな映像と演出で、人間関係もゴチャっとしていて面白みが薄い。秋元康が企画・原案だしな。

https://anaban-nana-shouta.jp/

「ラストナイト・イン・ソーホー」-Last Night in Soho-

エドガー・ライト監督。地方からロンドンのデザイン専門学校へやってきたエロイーズ(トーマシン・マッケンジー)は、寮生活になじめずミス・コリンズ(ダイアナ・リグ)の安いアパートの一室で一人暮らしを始める。それからエロイーズは、夢の中で1960年代のソーホーで歌手を目指すサンディ(アニヤ・テイラー=ジョイ)とシンクロし、ヒモのジャック(マット・スミス)たちと出会うが…。エドガー・ライトが監督、ミステリー色があるモダンホラーという感じか。全体に音楽も映像もかなりの好みなんだが、「クイーンズ・ギャンビット」のアニヤ・テイラー=ジョイの存在感がすべてを圧倒しているな。ほんとキャラが濃い女優、使い方も難しそうな人だが。色彩、ファッション、インテリアを始め、60年代のロンドンの出しかたもいい。

https://lnis.jp/

「パーフェクト・ケア」-I Care a Lot-

J・ブレイクソン監督。法定後継人のマーラ・グレイソン(ロザムンド・パイク)は、パートナーのフラン(エイザ・ゴンザレス)とともに、医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取るビジネスをしていた。次のターゲットを資産家のジェニファー(ダイアン・ウィースト)にするが、実は彼女はロシアンマフィアのローマン(ピーター・ディンクレイジ)と繋がっていた…。この後見人ビジネスの悪辣ぶりがすごくて、マフィアも霞んでしまうほどの怖さ。これがビジネスとして成立しているってとこが怖い。後半のスピード感ある展開と意外さもいいなあ。役者もそれぞれがいい味だしてた。日本の映画の比較を考えてみたが浅田美代子主演の「エリカ38」とかあるが、全然足元には及ばないなあ。

https://movies.kadokawa.co.jp/perfect-care/

「彼女が好きなものは」

草野翔吾監督、浅原ナオト原作「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」。高校生の安藤純(神尾楓珠)はゲイであることを隠し会社員の誠(今井翼)とつきあっていた。ある時、純はクラスメイトの三浦紗枝(山田杏奈)がBL漫画を購入しているのに遭遇し、ダブルデート、友人たちとの遊園地などを経て二人は付き合うことになるが…。原作未読、ドラマ版「腐女子、うっかりゲイに告る。」も未見。ゲイが腐女子と付き合う事になるという恋愛要素の設定だけで観てしまうと、痛い目に会う重さと深さを持っている。なかなか良かった。主演の神尾楓珠と山田杏奈もいいけど、脇役の演出のうまさを感じる。ファーレンハイトはちょっとストレートすぎたかなあ。とは言え、現実社会からみたらこれもファンタジーな気もするが。

https://kanosuki.jp/

「モスル あるSWAT部隊の戦い」-Mosul-

マシュー・マイケル・カーナハン監督。イラク第二の都市モスルは長い紛争により荒廃していた。新人警察官カーワはカーワ(アダム・ベッサ)はISに襲撃されるが、ジャーセム少佐(ヘール・ダッバーシ)のSWAT部隊に救われる。少佐はカーワを、元警察官からなるその部隊に招きいれるが、部隊は特別な目的でISの要塞に向かうが…。「ワールド・ウォー Z」などの脚本家の初監督作品、ISとの戦闘の話。脚本家だけあって、任務の謎で引っ張る展開が上手い。謎の目的というのも、映画的には派手ではないのだけど、それだけに心に沁みる感じ。戦闘シーンもなまなましくリアル感があるし、あまり知られてないイラクの世界が見えるのも社会性があっていい。実話をベースにしている。

https://mosul-movie.jp/

「ヴェノム レット・ゼア・ビー・カーネイジ」-Venom: Let There Be Carnage-

アンディ・サーキス監督。エディ・ブロック(トム・ハーディ)は、地球外生命体シンビオートのヴェノムを悪人以外を食べないという条件で寄生させていた。エディは元婚約者のアン(ミシェル・ウィリアムズ)を取り戻すためにスクープを狙い、死刑執行が迫る殺人鬼クレタス・キャサディ(ウッディ・ハレルソン)と面会するが…。前作「ヴェノム」もイマイチ感あったけど、それよりもダメな印象。終始、バタバタしているだけで、主人公のキャラとしての変化や葛藤はどこにあるんだろうか。敵のキャラであるカーネイジの方がまだ面白みがあるが、そっちも何やりたいのがイマイチわからない。ナオミ・ハリスも無理に絡ませているだけだしなあ。スパイダーマンとの絡みも期待できないし。

https://www.venom-movie.jp/