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「ミステリーの書き方」 - The Mystery Writers Hand Book - ☆

アメリカ探偵作家クラブ著、ローレンス・トリート編、講談社文庫。この本は面白かった。小説のハウツー本としても完成度が高いし、小説好きとしても新たな視点を与えられて楽しめる。もちろん、ミステリー・ファンには必読。日本では馴染みが薄い未翻訳の作家も多いが、是非読みたいと思わせる力がある。構成が緻密なミステリーだけあって、内容も豊富。なぜ書くのかという動機から始まり、アイデアの見つけ方、プロットの組み立て、ストーリの構成、いつ書くか、原稿の持ち込み作法、語りだし、視点の選び方、会話、文体について、手直し…、書いていると切りがない程に多彩。著者はMWA(アメリカ推理作家協会)、1976年の「The Mystery Writer's Handbook」を翻訳したものであるが、内容の古さはまったく感じない。最近出てきた作家は入ってないなとは思うけど。訳者の大出健はデジタル書店「グーテンベルグ21」主宰。