阪本順治監督、福井晴敏原作。東京湾沖で訓練中の海上自衛隊イージス艦「いそかぜ」が、工作員ヨンファ(中井貴一)、宮津副艦長(寺尾聰)により乗っ取られ、特殊兵器GUSOH(グソー)による東京壊滅の危機が迫る。防衛庁情報局の渥美(佐藤浩市)らが対策に乗り出すが、艦内の先任伍長の仙谷(真田広之)、如月一等海士(勝地涼)はたった二人で艦の奪還を図る…。あの長い原作を大胆に刈り込み、先任伍長仙谷を軸とした艦内のアクションでまとめた点は評価出来る。それぞれの人物背景がほとんど描かれないのはもったい無いが、ま、エンターテイメントとして仕上げる決断としては良い。それでもアクション、演技は迫力不足。中堅の男優がこれだけ揃っているのに情けない。原作では武骨なイメージの仙谷は真田広之ではちょっと弱い。海上自衛隊/航空自衛隊の前面協力を得ているが、これは「戦国自衛隊1549」(id:zom-1:20050702#p1)の陸上自衛隊協力に対抗しているみたい。個人的には福井晴敏の平和論/戦争論/国家論が薄っぺらな感じで好きじゃない。
