ガストン・ドゥプラット＆マリアノ・コーン監督。大富豪のイメージアップのために企画された映画、ベストセラー小説を原作に、集められたのは変わり者の映画監督ローラ・クエバス(ペネロペ・クルス)、老練な舞台俳優イバン・トレス(オスカル・マルティネス)、世界的スターのフェリックス・リベロ(アントニオ・バンデラス)。しかし、リハーサルで監督の演出論と、俳優たちは激しく対立する…。映画制作の裏話、最近では「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」みたいな、てんやわんや(死語)な話と思ったら、意外にまともな話で肩透かし。演技論の面白さなどはあるが表面的な面白さばかりで、例えば「ドライブ・マイ・カー」みたいな深さはないかなあ。シュールでブラックな味は強い、特にラストは。普通に観ている映画も、こういう裏があるかと思うとちょっと楽しい。ペネロペの監督役っていう、ヘンさってのはちょっと面白かった。
