電子竹林:Blog

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「TAR ター」-Tar-

トッド・フィールド監督。ベルリン・フィルの主席指揮者のリディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、マーラー交響曲第5番の演奏と録音、そして新曲の創作に苦しんでいた。彼女のパートナーであり養女ペトラを一緒に育てるシャロン(ニーナ・ホス)、アシスタントのフランチェスカ(ノエミ・メルラン)はリディア支えていたが、かつて指導した若手指揮者クリスタの自殺し、そして新人チェリストのオルガ(ソフィー・カウアー)が現れる…。「セッション」のような厳しく真摯に音楽と向き合う世界を勝手に想像していたが、そういう思った方向とはかなり違った。それでも、この狂気感は個人的には好きな映画。多分、嫌いな人も多いかも、ラストの方のまとめ方とか。ハッピーエンド、バッドエンドという分類でこの映画も捉える人が多いみたいだが、そういう分けかたは陳腐な気がする。ケイト・ブランシェットの指揮者ぶりが狂気も混ざり、とにかく凄い。彼女の映画かなあ、これは。授業風景の長回しの緊張感は震えるほどだったな。 https://gaga.ne.jp/TAR/