電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

2004-01-01から1年間の記事一覧

「草間彌生-永遠の現在」

Art

国立近代美術館。去年の「クサマトリックス」は見られなかったので、念願の草間彌生(http://www.yayoi-kusama.jp/)。観客は圧倒的に若い女性が多い。幻視、幻聴体験、統合失調症だけあって異なる視点を持っているし、同時に空白の埋め尽くす強迫観念などを感…

「海猫」

森田芳光監督、谷村志穂原作(未読)。これが森田芳光かと思わせるほど、「阿修羅のごとく」(id:zom-1:20031214)よりさらに平凡な作り。手持ち多用など特徴はあるが冒険は無い、それなりに上手く無難ではあるのだけど。薫(伊藤美咲)、広次(中村トオル)などの登…

「血と骨」

崔洋一監督、梁石日原作(未読)。済州島から大阪への出稼ぎにやって来た金俊平、朝鮮人集落を舞台に第二次世界大戦、敗戦、復興と長い時代の生き様を描く…のだが原作に忠実なんだろうがエピソードを淡々とした積み重ねで、その一つ一つが重苦しく、観ていて息…

「キャット・ウーマン」

ピトフ監督(「ヴィドック」)。物語は単純。アクションをカット、カメラワーク、CGで誤魔化しているのが多くイマイチ。悪役シャロン・ストーンは生身だし、対抗するには力不足。ハル・ベリーは悪くは無いが、「チョコレート」などと比較すると、いい面が出て…

「透光の樹」

根岸吉太郎監督、高樹のぶ子原作(未読)。萩原健一の降板、恐喝事件の話題ばかりで6年ぶりの根岸吉太郎監督作品の内容については話題にならないのが寂しい。25年ぶりに会った山崎千桐(秋吉久美子)と今井郷(永島敏行)の純愛。純愛というか、業、性か、物語の…

「ワンピース」(35)

尾田栄一郎。修復不能となったゴーイングメリー号の処遇、船をとるか仲間を取るかの葛藤…、子供向けの漫画っぽさが無く、今回はなかなか熱いテーマ。ルフィンとウソップの対決は最近には無い迫力があった。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/408873…

「デジタルカメラ進化論」

田中長徳。2001~2002年にカメラジャーナルの「今月のカメラ」に登場した6機種のエッセイ(ミノルタDiMAGE7、ルミックスLC5、キヤノンEOS-1D、EOS D60、ニコンD100、リコーCaplio RR30)。全体的に技術論に終始しがち。チョートクには銀塩からデジカメになった…

「トリコロールに燃えて」- Hand in the Clouds -

ジョン・ダイガン監督。デカダンスな映画と思っていたら、スペイン内戦、ナチス侵攻、パリ解放という時代を背景に、レジスタンス、スパイとシリアスな展開。その割には人間の描き方がちょっと浅く、無理矢理に純愛路線に持っていっている。こんな展開じゃ納…

「くらもちふさこ THE BEST 1」

著者が選んだベスト?…「クローバーの国の王子様」'74年、「小さな炎」'76年、「冬・春・あなた」'77年、「こんぺいと・は・あまい」'83年、「セルロイドのドア」'85年、「タイムテーブル」'87年…このセレクションがベスト?蘭丸団、おしゃべり階段、ショパン…

「みんな元気に病んでいる-心がしんどい普通の人々」

藤臣柊子。"読んで癒すコミック・エッセイ"らしい…鬱病、摂食障害、買物依存症、露出狂、ストーカー等の症例を漫画で紹介し、それに対するアドバイスなどを著者がエッセイ風に書いている。しかし、各ケースも適当な情報から構築してある印象、著者のアドバイ…

「デジタルカメラ批判序説」

田中長徳、中川右介。副題"あるいは、デジタルカメラでは写真は撮れない"。カメラジャーナル編集長の中川右介がデジタルカメラについて疑問(難癖?)を呈し、田中長徳が答えるという形式の往復書簡。どれも細かい議論で、写真やカメラというモノを大きく捉えた…

「デジカメだからできるビジネス写真入門」

田中長徳。気軽に撮れるデジカメの特性を活かした、シチュエーション毎のテクニック。タイトルの様にビジネスに限定されたものでは無く、平たいもの、ガラス越し、動く物、工場の撮影での注意など様々。またメモリや電池などの話題も。技術的な部分よりは、…

「iPod Photo」

写真に対応してもセッティングはさすがにiPodで簡単。写真の転送はリサイズしているためか、結構時間がかかる(ちゃんと計測しなかった)。apple.comでは4G(=1000枚?)1分と書いてあるが、それよりは遥かに遅い。初代iPod、二台目はDockと使っていたがクリック…

「デブの帝国-いかにしてアメリカは肥満大国となったのか」

- FAT LAND:How Americans Became the Fattest People in the World - Greg Critser グレッグ・クライツァー。人口の60%以上が肥満の米国の問題の根の深さを知った。「華氏911」(id:zom-1:20040821#p1)はブッシュ批判だけで無く、根底には貧富の差を作り続け…

「シークレット・ウィンドウ」- Secret Window -

デビッド・コープ監督脚本。スティーブン・キング「ランゴリアーズ」に収録されている短編「秘密の庭、秘密の壁」が原作。全体の設定は似たものだが、映画は超自然的な感じは薄く、ミステリー仕立てで恐怖感は随分違う。しかし、原作はあんまり好きじゃない…

「ミッション:フロンティア-知覚の宇宙(そら)へ」

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東京都写真美術館。日本科学未来館(MeSci)とのコラボ企画?、"アート+科学でさぐる知覚のフロンティア"と副題は面白そうなのだが、適当にかき集めた感じ。テーマに対して練られた展示では無い。好きなのは橋本典久「パノラマボール」「ゼログラフ」、木本圭子…

「マリオ・テスティーノ写真展 ポートレート」

東京都写真美術館。ヴォーグ風スタイリッシュ、会場ではプリントのデカさとクオリティの高さにまず圧倒される、おまけにダイアナ妃、ジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン、キャメロン・ディアス、マドンナ、ニコール・キッドマンとおなじみの顔が続くと、つ…

「草の乱」

神山征二郎監督。日本史の授業で名前は出てきても内容にはほとんど触れられない秩父事件(1884年、明治17年)。背景となる明治政府の軍備増強、増税、デフレ、生糸価格暴落、高利貸と官憲の癒着など詳しい。予算も少ないだろうし作りに粗い感じはあるが、全体…

「六番目の小夜子」

恩田陸。NHKで鈴木杏主演TVドラマ化(http://www.nhk.or.jp/drama/archives/sayoko/)され、数回だけ観て気になっていたが結局通しては見られなかった…やっと原作を読む。もっとホラー仕立かと思ったら、そうでも無い。著者の後書き通りに、少年ドラマシリーズ…

Mozilla FireFox 1.0正式版リリース

Mac

Mac OS X英語版でとりあえず気がついた事…SafariからのBookmarkインポートが無い。Proxy設定が環境設定の内容を引き継がない。Historyに検索があるのは便利。Safariとスピードの差は感じられず軽快。しばらくしたらアクセスでNot Foundに高確率でなる…原因不…

「娘と話すアウシュヴィッツってなに?」

アネット・ヴィヴィオルカ(Annette Wieviorka)。著者はフランス国立科学研究所の第二次世界大戦およびジェノサイドの研究家。題名通りに娘との会話形式で平易に書かれているが、内容は広く深い。中世に広まるキリスト教の反ユダヤ主義や、なぜそんな残虐な命…

「TOUGH」(4)

猿渡哲也。迫力無しだった1~3巻(id:zom-1:20040426#p1)(id:zom-1:20040729#p2)からやっと、ハイパーバトル日本予選開始して物語が展開。それぞれキャラが超人的な割には戦いは地味。派手にいくなら「バキ」ぐらい突き抜けて欲しいもんだが。 http://www.ama…

「ギャラリー・フェイク」(31)

細野不二彦。30巻(id:zom-1:20040616#p2)同様に美術ネタが少な過ぎる。調香師ジャン・ポール・香本は準レギュラーに昇格?ちなみにアニメ化決定らしい→ http://www.aniplex.co.jp/galleryfake/ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/409187391X/

「Q.E.D-証明終了」(19)

加藤元浩。前半は「マクベスの亡霊」、認知科学的トリックはシンプルで明快(物理的には○○なんだが認知的には××だよな…と実験したくなった)。「賢者の遺産」はタイムスリップものとちょっと珍しいパターンだけど、メッセージの方法は簡単に分かってしまった、…

「焼きたて!!ジャぱん」(14)

橋口たかし。パンもイマイチ、ギャグも不発。銀河鉄道999ネタは好きだったけど全体には面白く無い。アニメ版を見ると初期のパンに対する愛情が感じられて面白いのだが、コミックはもう駄目っぽい。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4091270522/

「上司は思いつきでものを言う」

橋本治。読んでみれば、いつものレトリック、橋本治節。ある程度は面白いけど古クサイ。役に立ちそうな振りをして役に立たない所は腹立たしい。かなり売れているのは不思議な感じ。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087202402/

「ICO -霧の城-」

宮部みゆきが同名ゲームに触発されて書き上げたファンタジー。元のゲームはちょっとだけやった事があるが、その不思議な世界観は確かに魅力的。ゲームの全体とどこまで整合性があるか分からないけど、やった範囲は描写に上手く組み込まれていたし、キャラの…

「オールド・ボーイ」

パク・チャヌク監督(「JSA」)。原作の同名コミック(土屋ガロン、峰岸信明)は結構好き。原作の弱い部分を上手く補強して映画にしている。クライマックスは面白いけど、ちょっと説明的過ぎてしつこい。チェ・ミンシクは妙な味がいい。それに比べてユ・ジテは若…

「笑の大学」

星護監督、三谷幸喜原作脚本。大人気の三谷のオリジナルを観ていないのだが…。それなりに笑いと涙はあるし、検閲を舞台に使って脚本という演劇の裏舞台を描くアイデアは素晴らしい。映像的には部屋という空間を映像にするのが下手。役所広司の映画的演技に比…

「いま、会いにゆきます」

土井裕泰監督、 市川拓司原作。出だしから泣かせの雰囲気全開なのが気になる。それなりに上手い展開だが、出来としてはごく普通。竹内結子は今までの映画、「天国の本屋~花火」(id:zom-1:20040605#p1)などよりは冴えが無いし、巧役の中村獅童の駄目ぶりはわ…