電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「事故物件 恐い間取り」

中田秀夫監督、松原タニシ原作「事故物件怪談 恐い間取り」。お笑いコンビ・ジョナサンズのヤマメ(亀梨和也)と中井(瀬戸康史)はコンビを解消し、中井は放送作家を目指す。仕事のないヤマメはある企画から「事故物件住みます芸人」としてブレイクし、ジョナサンズのファンでメイクアシスタントの梓(奈緒)が奇怪な現象に巻き込まれていくが…。元ネタの松原タニシはまるで知らない。全体にリアルな話がベースになっているので、悪趣味感あるものの、中田らしい演出で前半は結構怖い、ラスト対決はちょっと派手過ぎで怖さは覚めてしまう。ラスボス対決みたいになっている(そして何者??)。江口のりこが不動産屋事故物件担当というのがちょっと笑えた、彼女が一番キャラ的に好きだな。木下ほうかもいい。高田純次はキーポイントかと思ったら出番少ない。

https://movies.shochiku.co.jp/jikobukken-movie/

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」-Booksmart-

リビア・ワイルド監督。高校卒業式の前日、生徒会長モリー(ビーニー・フェルドスタイン)と親友エイミー(ケイトリン・デバー)は、遊んでばかりと思っていた同級生の進路に驚き、自分たちもパーティーデビューを決心。エイミーはニック(メイソン・グッディング)、モリーはライアン(ビクトリア・ルエスガ)を狙いパーティに出かけるが、場所も分からず、ジャレッド(スカイラー・ギソンド)、ジジ(ビリー・ロード)たちの助けを借りる…。女優のオリビア・ワイルドが初監督。初監督らしいぎこちなさは多いのだけど、高校卒業前の一夜のパーティーデビューってネタは面白い。それぞれの葛藤はちょっと薄い感じで、脇役のジャレッド、ジジなどの方が深いキャラな感じだった。米国での評価はかなり高くて驚いたが、そこは経験の違いで共感度が違うのだろうか。ビーニー・フェルドスタインをはじめ、高校生役のかなりが20代後半な気がする^^ (原題:Booksmartは実践がない賢さ、みたいな意味、反対はstreet smart)

https://longride.jp/booksmart/

「糸」

瀬々敬久監督。北海道・美瑛、平成元年生まれの漣と葵は中学生の時の花火大会で偶然に知り合うが、大人たちに引き離される。8年後、21歳になりチーズ工房で働く漣(菅田将暉)は、親友・直樹(成田凌)の東京での結婚式で葵(小松菜奈)と再会する。しかし、葵は投資会社社長の水島(斎藤工)と、漣は工房の先輩・香(榮倉奈々)と付き合っていた…。中島みゆきの1998年の曲がモチーフ、この手の企画モノ映画はイマイチ好きになれないのだが、これもそうかな。いいトコもあるのだけど、概ね平凡でどこかで見たようなエピソードの積み重ねで薄っぺらい。例えば、中学生の逃避行は「秒速5センチメートル」を連想させるが、あそこまでのエモーションを作るパワーはない。ディティールが薄いせいだと思う。平成史に沿っているが、911リーマンショック、311ぐらいなのか、もうちょっと盛り込んでよかったのに。街の風景や、モノでの時代の表現もイマイチ。役者は他に山本美月高杉真宙倍賞美津子、永島敏行とやたらに豪華なんだが勿体ない。

https://ito-movie.jp/

「2分の1の魔法」-Onward-

ダン・スキャンロン監督。かつての魔法は廃れ、テクノロジーに頼るようになった世界。イアン(声:トム・ホランド)は引っ込み思案、兄バーリー(クリス・プラット)は大学に進まず魔法オタクを続ける兄弟。イアンの16歳の誕生日、母ローレル(声:ジュリア・ルイス=ドレイファス)は亡くなった父からの贈り物の魔法の杖を二人に渡し、二人は24時間だけの復活の呪文をかけるが、復活した父は足だけだった…。ピクサーのアニメ、監督は「モンスターズ・ユニバーシティ」の人。魔法が忘れられテクノロジーに頼る世界という設定が面白い。文明批判の色合いもあり、脚本も相変わらずの巧さ。親子の話と思わせ、うまく兄弟の物語に展開させる。手堅く作られ大人にも面白い、その分、映像的な冒険は今回は少ないかも。技術的にココはすごいってところは個人的にはなかった。原題は「Onward」、随分と印象違う^^。予告編からは、これは落語の「胴切り」が元ネタ?とか思ったが、多分全然関係ない。

https://www.disney.co.jp/movie/onehalf-magic.html

「ジェクシー!スマホを変えただけなのに」-Jexi-

サンフランシスコ、ジャーナリスト志望のフィル(アダム・ディバイン)は希望がかなわずバズるWeb記事を量産する毎日。子供の頃からのケータイ依存症で友達もゼロ。ある時、事故でスマホを買い換えるが、そこにはAIのジェクシー(声:ローズ・バーン)が搭載され、彼女のコーチのおかげでケイト(アレクサンドラ・シップ)と仲良くなっていくが…。ジェクシーの賢さは「her 世界でひとつの彼女」並だけど、彼女がダークサイドに落ちた感じのキャラで面白い。そこにラブコメと、「ハングオーバー」の脚本家らしい下ネタを加えたという印象かな。その中でも、デジタルな下ネタってはちょっと面白い。会話中のガジェットやサービスの盛り込み方が半端なく、テッキーなネタは結構楽しい。全体に軽く楽しめる映画かな、機内上映とかにちょうどいい感じ。しかしこの邦題サブタイトル、B級っぽくなりすぎじゃないのか。

http://jexi-movie.com/

「思い、思われ、ふり、ふられ 」

三木孝浩監督,咲坂伊緒原作。内気な由奈(福本莉子)は、同じマンションに住む転校生の朱里(浜辺美波)と友達になる。由奈の幼なじみで映画好きの和臣(赤楚衛二)も同じマンション住まい。由奈は絵本の憧れの王子様そっくりな男に出会うが、それは朱里の弟・理央(北村匠海)だった…。別マの原作未読、アニメ版も未見。三木孝浩監督による、少女漫画原作のヌルい四角関係モノかと思ったが、意外に悪くない印象。キャラ的にはヌルいけど、それなりにそれぞれの葛藤があって共感できる。エピソードも新鮮とは言えないのだけど、繊細な映像を丁寧に重ねって行って、テンポよく展開するのは心地よい。浜辺美波は、「屍人荘の殺人」 「アルキメデスの大戦」「君の膵臓をたべたい」 に比べると単調な感じかな。「アバウト・タイム 愛おしい時間について」は悪くないけど、そこまでオススメされる映画かなとちょっと思った^^。

https://furifura-movie.jp

「弱虫ペダル」

三木康一郎監督、渡辺航原作。小野田坂道(永瀬廉)は、小学校の頃から秋葉原へママチャリで通うアニメ好き。総北高校に入学、アニメ研究部を再結成しようと今泉(伊藤健太郎)とレースをしたことがきっかけで自転車競技部へ入部、寒咲幹(橋本環奈)、鳴子章吉(坂東龍汰)と知り合っていくが…。原作はちょっと、アニメは見ていて結構好き。劇場版は裏門坂の勝負、ウェルカムレース、合宿(ただし1000Kmなし)、インハイ県予選まで。クライマックスも上手く盛り上げて意外に悪くなかったという印象、ロードレースは撮影が難しそうだけど、色々と撮影と編集を工夫して、スピーディでダイナミックに出来ている。まあ「疾風スプリンター」ほどはスタイリッシュな映像にはなっていないが。背景の景観がイマイチ地味なところばかりなのがマイナスになってる。金城真護(竜星涼)、巻島裕介(柳俊太郎)は思ったよりは悪くなかったが、田所迅(菅原健)は筋肉なさすぎでかなり違うキャラ。次回作はあるのだろうか、御堂筋くん次第だろうな。

https://movies.shochiku.co.jp/yowapeda-eiga/