電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

Book

「現代アートバブル」

吉井仁実。現代アートのバブルをどうこう語った本ではなく、比較的真面目に淡々と、現代アートの作家、投資家、画廊、メディアのいろいろを語り、現代アートの輪郭をマーケットとして描き出している。内容的には分かりやすく、また知らない世界なので面白い…

「モダンタイムス」

伊坂幸太郎。システムエンジニアの渡辺は、失踪した先輩の先輩の仕事を引き継ぐ。そのシステムを解析するとある単語の組み合わせによる検索が監視されている事が分かるが…。2005年「魔王」(id:zom-1:20060521#p2)の50年後の物語。関連性は薄いけど。漫画週刊…

「人間の覚悟」

五木寛之。人生の下山の時代を過ごす上において、「覚悟すると」いうことを説く。納得は出来るが、著者の考え方を示したエッセイであってまとまり感は弱い。(memo:格差が広がり定着してしまう悪=現在の韓国、ソ連のノーメンクラトゥーラ(共産貴族))(memo:ロ…

「奇跡のリンゴ」

石川拓治。「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班による監修、番組は未見。木村秋則(http://www.sun-act.com/kimura/ )による林檎の自然栽培の記録であるが、行動は面白いのだけど成し遂げた事の凄さはちょっと分からない。理系な考え方の木村秋則の思考体…

「人類が消えた世界」

アラン・ワイズマン。人類が忽然と姿を消したら世界各地では何が起きるのか。都市の建築物、地下建造物、ニューヨーク、パナマ運河、朝鮮半島、プラスチックなどなど…。人間が消えた世界を描く事により、人間が自然にどう影響を与えているかを描き出すという…

「イギリス式年収200万円でゆたかに暮らす」

井形慶子。アクセク働いて金を稼ぐよりも、シンプルな生活を心がければ金もかからない英国的な生活…。英国礼賛な所が無いのがいい。日本で年収200万円で豊かな生活が出来るかどうかは疑問だけど、英国では出来そうな気がしてくる。生きていく上での何かのヒ…

「1分顔上げ骨気(コルギ)メソッド- たるみがなくなる!小顔になる!顔の形が変わる」

林幸千代。ほとんど内容がない、3~4ページで終わりそうな内容。シンプルだからいいのかもしれないけど、これなら立ち読みでいいかも。骨格については「ナンバ式骨体操」(id:zom-1:20040614#p1)が面白かった。 http://www.amazon.co.jp/dp/4827543674

「決壊」上下

平野啓一郎。2002年10月、犯行声明付きのバラバラ遺体発見。容疑者は被害者の兄でエリート公務員の沢野崇だった…。「日蝕」以来、平野啓一郎は読んでなかったけど、遥かに読みやすくなっているのに驚いた。それ以上に、読みやすくはあるけど、内容が頭に入っ…

「エッジ」上下

鈴木光司。18年前、突然の父親の失踪という過去を持つフリーライターの栗山冴子。2012年11月、冴子は一家4人が忽然と失踪した「藤村家失踪事件」を霊媒師の鳥居繁子、物理学者の磯貝、テレビマンの羽柴とともに追う事になる。また世界では謎の失踪事件が相次…

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

海堂尊。桜宮市、東城大学医学部付属病院の不定愁訴外来の田口公平の元に救命救急センター部長の速水晃一が特定業者と癒着しているという告発文が届く…。物語としては比較的平坦で、全体を引っ張る謎が弱い。ストーリ展開は映画版(id:zom-1:20090307#p1)の方…

「金融大崩壊-アメリカ金融帝国の終焉」

水野和夫。米国金融帝国の誕生、サブプライム問題、米国金融帝国終焉後の世界、日本経済の生き残る道などなど。コンパクトにまとまっているが、逆にそれぞれは深くは掘り下げていない。肝心なのは最終章の日本経済の戦略への提言であろうが、米国から独立し…

「仕事が速くなるプロの整理術」

吉越浩一郎。A4の紙とクリアファイルとで情報を一元管理、トリンプ・インターナショナル・ジャパン前社長で「残業ゼロ」「19期連続増収増益」を成し遂げた著者。「知的生産の技術」にちょっとデジタル化(Gmail、Googleカレンダー、iPhone)が入った程度の内容…

「アメリカモデルの終焉」

冷泉彰彦。米国型の人事制度、組織構造、労働環境、日本の年功序列、終身雇用の制度に合わずに成果主義を導入した歪み、など。「虚妄の成果主義」(id:zom-1:20080727#p4)、「内側から見た富士通」(id:zom-1:20041002#p2)、「若者はなぜ3年で辞めるのか」(id:…

「君子を目指せ小人になるな-私の古典ノート」

北尾吉孝。SBIホールディングスCEOによる論語を中心とした中国古典の解説、人生哲学、生き方。論語、君子、孔子の学問と教育、仁義礼智信、天命など。インターネットの顧客中心サービスにより社会貢献を行う、事業活動の資産で恵まれない子供たちへの社会貢…

「納棺夫日記」

青木新門。著者は新聞の求人広告から葬儀社に就職、現在は専務取締役をへて監査役。本木雅弘が読んで「おくりびと」(id:zom-1:20080913#p2) の原点になった本。『納棺夫日記』、第一章「みぞれの季節」は葬儀社に努め始めた困惑。第二章「人の死いろいろ」は…

「世界金融危機はなぜ起こったか-サブプライム問題から金融資本主義の崩壊へ」

小林正宏、大類雄司。ITバブルの崩壊と余剰マネー、信用不安、サブプライム問題、原油・食料高騰、ファニーメイ(米連邦住宅抵当公庫)やフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公庫)などと時系列に詳細に追ってデータで分析、解説しているので分かりやすい。米国…

「A型自分の説明書」

Jamais Jamais。「B型自分の説明書」(id:zom-1:20081124#p4)と同じでまるで面白くなかった。ま、最初からそう思って読んでいたけど。 http://www.amazon.co.jp/dp/4286050033

「就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇」

石渡嶺司、大沢仁。現在の就活などまったく縁がないので読んでみる。学生も、企業も、大学も、就職情報も揃いも揃って気持ち悪い感じってのは、何か不思議。実体は分かるが、原因の本質的な所は見えてこない。だから打開策も見えてこない。慶応大学の例、無…

「ノーマライゼーションへのデザイン」

川崎和男、多木浩二、吉川弘之、柏木博。機能主義とハンディキャップ、ロボットと新しい身体観、西ドイツの車椅子、障害者のための道具つくりなどなど。川崎和夫が出ているので読んでみる。いわゆるユニバーサルデザインの全般の話。1989年の本なので(何しろ…

「アイデアパーソン入門」

加藤昌治。アイデアの出し方を「たぐる」というキーワード、さらに「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」と分解して解説…。「考具」(id:zom-1:20040707#p2)が面白かったのとamazonの評判が良いので読んでみるが、なんとも内容が無かった。エッセイみ…

「サブリミナル・インパクト-情動と潜在認知の現代」

下條信輔。感覚そのものの快を中心とした様々な話題。話題は多岐に渡るが、それぞれ面白い。(memo:潜在脳機能プロジェクト=バイオロジカルモーション、数個の光点で人間の動きが分かる)(memo:メノンのパラドックス=知らなかったモノなのになぜ"新発見"出来る…

「M8」

高嶋哲夫。阪神淡路大震災を経験した東都大学理学部地球物理科28歳のポスドク、瀬戸口のシミュレーションではマグニチュード8規模の東京直下型大地震が迫っていた。そんな時、偶然から瀬戸口は異端の地震学者・遠山と出会う…。シミュレーション小説っぽさ、…

「ガール」

奥田英朗。30代OLの短編集。管理職になった聖子と年上の部下「ヒロくん」、独身でマンション購入検討中の広報課ゆかり「マンション」、広告代理店の由紀子と一生一ガールのお光「ガール」、離婚し子供一人を育てながら営業部へ復帰した孝子「シングル・マザ…

「つみきのいえ」

加藤久仁生(http://kiteretsu.robot.co.jp/kunio/ )、文:平田研也。海面がどんどん上がり、家を建て増し続けるおじいさんの、家と家族の物語…。DVDで観た2009年米国アカデミー賞 短編アニメーション賞受賞作の絵本版。絵本版も雰囲気が出ていていい。けど、…

「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」

町山智浩。マクロ的な視点ではなく、映画、TV番組、日常的なごくミクロ的な視点での米国論。宗教、マスメディア、政治、経済格差などなど。読み物としてもなかなか楽しい。"アメリカ人は単に無知なのではない。その根には「無知こそ善」とする思想、反知性主…

「さらばアメリカ」

大前研一。MIT留学、マッキンゼー本社と米国大好き大前研一がいま苦言を呈したというのは面白いけど、内容的には事実の羅列ばかり。昔は良かった、今は駄目だ、昔の様になってくれ、的な内容で語っている事ばかり。「アメリカ後の世界」(id:zom-1:20090525#3…

「山頂に立つ-登山家たちのサバイバル」

「凍」(id:zom-1:20081224#p3)、「死のクレバス」(id:zom-1:20090123#p2)を読んだ勢いで読んでみる。アラスカの単独登攀「デヴィルズ・サム」ジョン・クラカワー、カラコルム山脈8051mブロード・ピークの極限高度体験「希薄な空気」グレッグ・チャイルド、下…

「アメリカ後の世界」- Post-American WORLD -

ファリード・ザカリア。地球規模の権力シフトを"米国以外のすべての国の台頭"と位置づけて解説。主に、米国の、インド、中国の変化が中心か。インド系の著者は、ややインドに甘いと思うが。(memo:1492年コロンブズの87年前に中国の鄭和が7回に及ぶ大航海を実…

「眼の誕生-カンブリア紀大進化の謎を解く」

アンドリュー・パーカー。突如として動物の「門」が出そろった5億4300年前の「カンブリア紀の爆発」を、有眼生物の誕生によるる淘汰圧の高まり「光スイッチ説」から説明する。学者らしい慎重さと謎を引っ張るトコが冗長で、読んでいるとまどろっこしいが、内…

「奇跡の脳」- My Stroke of Insight - Jill Bolte Taylor Ph.D. -

ジル・ボルト・テイラー。2009年4月のNHK「復活した"脳の力"-テイラー博士からのメッセージ」を観て興味が湧いて読んでみる。ハーバード大学脳科学者が37歳の時に襲われた脳卒中の自己体験。脳卒中のダメージが広がるなか、自分の脳の中がどうなっているかを…