電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「余命10年」

藤井道人監督、小坂流加原作。東京、高林茉莉(小松菜奈)は20歳で不治の病と診断され、余命10年と告げられる。茉莉は地元の同窓会で上京組の真部和人(坂口健太郎)と出会うが…。原作は、正直イマイチと思ったが作者プロフィールのトコだけは衝撃的だった、何も知らずに読んでいたので。原作のイマイチなエピソードは使わずに、人物設定だけ使ってうまく映像化していると思う。特に原作のコスプレ、茶道の設定を省いたのはいい。美術室のエピソードも子供っぽくて好きじゃないので、省略したのはいいかも。小説家の設定にしたのは素直だし、居酒屋も自然な流れができた。と考えると、これで原作と言っていいのか、と思うほど改変されていて、名前借りただけじゃん感があるのだが。小松菜奈、坂口健太郎は手堅い演技。上京組のタケル(山田裕貴)、親友の沙苗(奈緒)もいい脇役ぶりだし、両親の原日出子松重豊、あとリリー・フランキーが地味ながらいい味だしてたな。

https://wwws.warnerbros.co.jp/yomei10-movie/

「愛なのに」

城定秀夫監督、今泉力哉脚本。古本屋の店主・多田浩司(瀬戸康史)は、高校生の岬(河合優実)から求婚される。多田にはバイト仲間の一花(さとうほなみ)という忘れられない女性がいたが、一花は結婚間近。しかし、一花の結婚相手の亮介(中島歩)はウェディングプランナーの美樹(向里祐香)と浮気をしていた…。恋愛ものとしては変わっていて面白みはある。R15+らしい濡れ場は多いが、そこはあんまり意味がないような。城定秀夫、今泉力哉のR15+指定の恋愛もの企画らしいが、なんでこんな企画にしたんだ?もうちょっと脚本に捻りがあればよかったのだが。浩司、一花、亮介と分散しすぎな感じもするし、それぞれの背景も薄いのが一番気になる。岬が一番おもしろいと思ったけど、そこの掘り下げがなかったな。出だしが一番よかったし。

https://www.lr15-movie.com/ainanoni/index.html

「シラノ」-Cyrano-

ジョー・ライト監督、エドモノド・ロスタン原作。17世紀のフランス、剣豪で詩人のシラノ(ピーター・ディンクレイジ)は、同郷のロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)に想いを寄せていたが、自分の外見のためにそれを告げられないでいた。そして、シラノは新人隊員クリスチャン(ケルビン・ハリソン・Jr.)がロクサーヌに一目惚れしていることを知り、手紙を代筆することになるが…。ちょっと捻った「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」、時代を変えた「愛しのロクサーヌ」を入れて、映画化で観たのはこれが5作目か。なんと言っても、デカ鼻という設定を変えて、ピーター・ディンクレイジでやるのが凄いと思った。一気にリアルな物語に感じられる。いままで何で出来なかったのかと思わせた。ディンクレイジも「パーフェクト・ケア」の助演から、今度で主演で乗りの乗っていて素晴らしい。エリカ・シュミットの2018年ミュージカル版をベースにしているが、ミュージカルでなくてもいいんじゃないか。シラノがリメイクされるたびに、日本ではなんで「無法松の一生」がリメイクされないのかなと思う。しかし日曜なのに観客三人だった..

https://cyrano-movie.jp/

「ナイル殺人事件」-Death on the Nile-

ケネス・ブラナー監督、アガサ・クリスティ原作「ナイルに死す」。大富豪の娘リネット(ガル・ギャドット)は、夫サイモン(アーミー・ハマー)との新婚旅行に知人を連れ、エジプトまで来ていた。しかし、リネットの友人でありサイモンの元婚約者ジャクリーン(エマ・マッキー)が付きまとい、ナイル川を行く豪華客船で旅することになる。そこには名探偵エルキュール・ポアロ(ケネス・ブラナー)、ポアロとリネットの友人ブーク(トム・ベイトマン)、ブークの母ユーフェミア(アネット・ベニング)、歌手のサロメ(ソフィー・オコネドー)とその娘ロザリー(レティーシャ・ライト)たちがいたが…。ネス・ブラナー監督主演の前作、「オリエント急行殺人事件」は関心しなかったけど今回は良いと思う。1978年版よりもずっと好きかも。ポアロのキャラが深みを増し、原作と比べて登場人物の改変と派手さで面白みを加え、事件もかなりいい方向に変えている。特にオッタボーン親娘の存在できらびやかさを加えているのはいいな。ブーク(前回も登場)を入れたのは良かった、遺作「カーテン」を思い出させた。アブシンベル神殿もピラミッドも行ってみたいもんだ...

https://20thcenturystudios.jp/movie/nile-movie.html

「グッバイ、ドン・グリーズ!」

いしづかあつこ監督。田舎町に住む、農家の一人息子ロウマ(声:花江夏樹)は、東京の進学校へ進んだトト(梶裕貴)と中学時代にドン・グリーズを結成して秘密基地で遊んでいた。ロウマは、夏休みで帰省していたトト、アイスランドから日本にきたドロップと花火をして山火事の犯人にされてしまったため、行方不明のドローンを探しに出かけるが…。「宇宙よりも遠い場所」の監督で期待感は多少あったんだが、全体に物語もキャラもエピソードも平凡かなあ。最後の最後エピソードだけちょっと意外性はあって面白いけど、これは「宇宙…」のラストを意識しているのか。その他は一直線の物語、キャラも面白みがない。ドロップの存在がもうちょっと深いかと思ったが、意外に平凡だし結末も面白みがない。チボリも意味ありそうで薄いキャラだった。声優三人が、ゴージャスなのでそういう好みの人にはいいのかもしれないが。

https://donglees.com/

「牛首村」

清水崇監督。雨宮奏音(Koki,)は、蓮(萩原利久)から富山県・坪野鉱泉で行方不明になった女学生・詩音が自分そっくりだという心霊動画を見せられる。奏音と蓮は現地に向かい、偶然知り合った山崎(松尾諭)と坪野鉱泉へ向かい、また将太(高橋文哉)と出会うが…。恐怖の村シリーズ第3弾。前二作の「犬鳴村」「樹海村」でもういいやと思っていたけど、ちょっといい感想も読んだので観てみた…が、やはり観なくてよかったか。映像的にちょっと面白いトコもあったけど、使い古された怖がらせ方と物語。前半はまだ良かったけど全体像が見えてからはかなり退屈。この公式サイトの関係図、かなりネタバレな気もするが、知らないで見た方が吉だろうなあ。芋生悠は、「ひらいて」の時は薄幸な感じだったが、今回は薄幸に恐ろしさが加わって、まあ今回一番面白い俳優だった。主演はモデルで映画初出演、という割には立派な演技なんだけど、この映画じゃ可哀想だなと思った。

https://www.ushikubi-movie.jp/

「アンチャーテッド」-Uncharted-

ルーベン・フライシャー監督。NYのバーテンダー、ネイト(トム・ホランド)は、トレジャー・ハンターのサリー(マーク・ウォールバーグ)から50億ドルの財宝探しに誘われる。ネイトとサリーは、クロエ(ソフィア・アリ)と共にオークションから鍵になる十字架を盗み出すが、モンカーダ(アントニオ・バンデラス)とジョー(タティ・ガブリエル)も同じ財宝を狙っていた…。元のゲームは未経験。「ヴェノム」などのフイシャー監督にトム・ホランドマーク・ウォールバーグと有名俳優の割には宣伝少ないなと不安だったが、まあまあ面白かった。ノリも設定も「トゥームレイダー」みたいだけどこっちの方がずっとよく出来ている。飛行機や海賊船のアクションの無駄な派手さとかは嫌いじゃない。タティ・ガブリエルの美しく凶悪なキャラはなかなかよい。ソフィア・アリの方が地味だった。財宝の背景などの歴史的な深みにはちょっと欠ける気がしないでもないけど。シリーズはまだまだ続きそうな伏線出しているが、どうなるんだろうか。

https://www.uncharted-movie.jp/