電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1997-01-01から1年間の記事一覧

「愛する」

熊井啓監督。遠藤周作原作「私が棄てた女」。熊井が遠藤の原作を扱うのは、「海と毒薬」「深い河」に続いて3作目。原作は未読なので、どの程度、原作に沿っているか判らない。難病施設、ハンセン病とその差別という重いテーマを扱うのはいいのだけど、あま…

「バウンス KoGALS」☆

原田眞人監督。コギャルというタイトルから受けるイメージがいかにも安直で、時代的、キワモノな印象があるけど、作品自体はしっかりした見ごたえがあるものだった。かなり面白い。それぞれの主人公の行動にあまり共感出来ないが。未完成ながら、面白いモノ…

「コン・エアー」 - Con Air -

監督サイモン・ウエスト、主演ニコラス・ケイジ。今年、やたらに多い航空機アクションものの一つ。凶悪犯ばかりが乗った囚人輸送機ハイジャックされる。そこに模範囚である、主人公ポー(ニコラス・ケイジ)が一人戦う。地上の保安官と連絡を取り合う所など、…

「私家版」☆

面白かった。簡単に言えば本で人を殺すというリベンジ・ストーリ。感情や描写を押さえた表現のミステリー性が雰囲気を出している。監督のベルナール・ラップはフランスのニュースキャスターとして有名らしい。主演はテレンス・スタンプ。スタンプも前に観た…

「タイタニック」☆

文句無く、面白かった。海原を行く船と波の合成や、流氷を見ると、金をかけた割にはCGの合成がチャチいなと感じた。でも、ラストの方ではそんなディティールはどうでもいいほどワクワクしていた。観客はラストの悲劇をすでに知っている。そこに、ゆっくりと…

「フル・モンティ」- The Full Monty -

最近の英国映画はとにかく面白い。一頃、文革の総括的な意味の中国映画で傑作が沢山出たが、それの英国版じゃないだろうか?好況の時代から、その衰退、そして現在の不況と失業者の山。これらをまとめあげて非常にいい設定にしてくる。「トレイン・スポッテ…

「虹をつかむ男 南国奮斗篇」

去年の正月映画の続編。山田洋次監督、西田敏行、吉岡秀隆主演。ヒロインは小泉今日子、松坂慶子。続編ではあるんだけど、微妙に設定が違っている。前作の劇場の場所が違うとか細かい所はおいておいても、最初混乱したのは、前回に出ていたほとんどの俳優が…

「コントロール・ドラマ」-それはアダルト・チルドレンを解くカギ

信田さよ子 三五館。「アダルト・チルドレン完全理解」の著者の信田さよ子の著書。基本的に重複した内容が多いが、日本の家族における共依存についてが主たる話題。セラピーをやっているだけあって、離婚や家族解散など現実的な解を出している所が面白い。中…

「日本とアメリカの逆さの常識」

アントラム栢木利美 中公文庫。米国に住むなら、それも小さい子供を米国で育てようと思うなら、凄く参考になると本だと思う。米国人の夫と二人の子供と、サンフランシスコに住む著者の経験からのエッセイ。その現実的な所と細かい所が実に面白い。ほとんど世…

「本格推理(10) - 独創の殺人鬼たち」

鮎川哲也編。すでに10冊目になるのに、実はあまり読んだことが無かった(^^;)。好きなの嫌いなのは半々ぐらい。個人的にはトリックに主体を置いた本格モノよりも「エジプト人がやってきた」みたいな気軽なのが面白かった。やはりプロで無いだけあって、文章が…

「この文庫本がすごい!」

宝島社。'97年版はとっくの昔に出ていたけど、今ごろ読んでみる。参考になるけど、ちょっと読むのが遅かったか(^^;)。

「親を殺した子供たち」- Sole Survivor -

エリオット・レイトン、草思社。なかなか面白い。M・スコット・ペック の「平気でうそをつく人たち」-虚偽と邪悪の心理学-みたいに一つ一つの例を深く突っ込んで調べている所が米国のジャーナリズムっぽい。億万長者の息子が家族が乗ったワゴン車を爆破、陸…

「僕が20世紀と暮らしていた頃」

野田秀樹 中公文庫。「マリ・クレール」に連載していた野田秀樹のエッセイ。2035年の野田秀樹が孫たちにする昔のお話の形になっている。この構成はちょっと面白い。取り上げるネタは牛乳瓶、ガリバン、カエルの解剖、道端、クジラ、お下がり、そろばん、ダイ…

「まぼろしの完全犯罪」斎藤栄ベスト・コレクション1

斎藤栄 文春文庫。時間つぶしに本が欲しかったので、しょうがないからキオスクで買った本(^^;)。まあ、斎藤栄ってのがいかにも時間つぶしっぽいけど。斎藤栄自選のお勧め品を文庫本化するシリーズらしい。「勝海舟の殺人」(「虹の幻影」改題)、「日本のピラ…

「インティシティ」下 Intensity- Dean Koontz

ディーン・クーンツアカデミー出版

「インティシティ」上 - Intensity- Dean Koontz

ディーン・クーンツアカデミー出版犯罪心理学を学ぶ女性が、見知らぬ少女を救うために猟奇的な殺人犯に立ち向かう。出だしがあまりに唐突で、展開も唐突。なんか、ストーリ・テーリングとしての面白さは薄い。このストーリ自体は、犯罪心理学の専門家が、い…

「クラッカー」

建蔵圭介 角川書店。横溝正史賞佳作。定年間際の男が、復讐のためにシステムに侵入し、銀行から大金を奪う。その犯罪が以外な展開を生んでいく。オタク的なディティールは面白かった。でも、ストーリ的には単純過ぎて面白くなかった。月曜ドラマスペシャルで…

「視覚のトリック - だまし絵が語るしくみ」

R.N.シェパード 新曜社。だまし絵についてまとめた本。だまし絵の内容的な分類が多いが、パルテノン神殿の柱が錯覚のためにわざと反対側に曲げてある事や、15世紀から17世紀にかけてのルネッサンス後期のミケランジェロやボッロミーニといったローマの画家や…

「アフォーダンス-新しい認知の理論」☆

佐々木正人 岩波書店 岩波科学ライブラリー12。アフォーダンスについては、デザインや認知の分野で多少は聞いた事はあったが、まとめた本を読んだのは初めて。というか、アフォーダンスについてまとめた本はこの本しか知らないが(^^;)。「情報は人間をとりま…

「日本語はいかにつくられたか?」☆

小池清治 ちくま学芸文庫。ちらりと読んだ内容からはムズカシそうな雰囲気がしたのだけど、読んでみるとこれが理解しやすく、何しろ面白い。日本語の成立についてこれだけ判りやすく書いている本は初めて。後書きを読んでみると、なるほど、「仮想読者は高校…

「男子厨房学入門(メンズクッキング学入門)」☆

玉村豊男 文春文庫。男の料理を扱った本は多いけど、著者が玉村豊男となるとそれがありきたりでない事は予想出来る。内容的に面白かった。実に理論的、明快にワンステップづつ基本を学んで行くのが面白い。料理の展開の視点は、ちょっとしたカルチャー・ショ…

「陰謀のセオリー」

予告編が面白そうで、期待していたけどちょっと期待ハズレ。陰謀説を持つ男が主人公という設定が気に入ってました。このキャラクタでうまくストーリを作ればよかったのに、結局の所陰謀説は単なる添え物でした。残念。

「鍵 THE KEY」

池田敏春脚本、監督。川島なお美、柄本明、大沢樹生。谷崎潤一郎の文学の世界だけど、雰囲気が江戸川乱歩みたいな映画だった。あまり期待してなかったけど、予想通りの出気。エロティシズムという面では、新鮮さも面白さもなかった。

「CURE」

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。黒沢清が監督。もう「地獄の警備員」以来、まったく信用してない監督であるが、ちょっと面白そうなので観てしまった。主人公が役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈。被害者の首を×に切り刻…

「187」-187 -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。「ファンタンゴ」のケヴィン・レイノルズ監督。187は、カリフォルニア州の殺人罪に適用される刑法で、映画の中では「殺す」という警告のメッセージに使われる。主人公の教師ガーフィールドはN.Y.の…

「2days」- 2 Days In The Valley -

1997東京国際映画祭特別招待作品。1983年のオリビア・ニュートンジョンとジョン・トラボルタ主演の「セカンド・チャンス」の監督、ジョン・ハーツフェルド。この間に他の映画は撮っていたんだろうか(^^;)。彼も'81年にTV番組「Stoned」でエミー賞を受賞して…

「青春のつぶやき」- 美麗在唱歌 / Nurmur Of Youth -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。監督は台湾の林正盛(リン・チェンシェン)。未見だけど「熱帯魚」にも出ている人で、監督よりも性格俳優っぽい(^^;)。主人公は台湾に住む二人の少女。台北のマンション住まいと、郊外の古い家住まい…

「ジプシーの贈り物」- Romanki Kris(Gypsy Lore) -

1997東京国際映画祭ヤング・シネマ・コンペティション。監督はベネ・ギョグオシーはハンガリー、ブダペスト生まれで、現在はミュンヘンで活動、これが最初の劇場用映画。北ハンガリーのジプシー居留地をおわれた老人ロベルが、頭の弱いが音楽は上手いタマス…

「ブラス!」- Brassed Off -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。これは安心して期待出来る、ある程度面白い事は確実と思ってたけど、やっぱり面白かった。すでに来年の公開は決まっているはず。監督、脚本はマーク・ハーマン。これが初めて観る作品。1993年の英…

「バルカン冒険旅行」- Balkanisateur -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。なんでこんな映画がインターコンペに入ってくるの、と唖然としてしまった。つまらない(^^;)。ギリシャ人の二人が一儲けしようと、バルカン半島を越えて、西ヨーロッパ、スイスまでのロード・ムービ…